ユーロ/円、08年8月以来の高値を示現!もう一段の上値切り上げとなるか

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最新投稿日時:2024/03/22 11:06 - 「ユーロ/円、08年8月以来の高値を示現!もう一段の上値切り上げとなるか」(津田隆光)

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ユーロ/円、08年8月以来の高値を示現!もう一段の上値切り上げとなるか

著者:津田隆光
投稿:2024/03/22 11:06

短期的にはややスピード超過か

ユーロ/円・週足・複合チャート
ユーロ/円・週足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】「160.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「169.470円」付近まで上昇も
【シナリオ②】同レート割れなら、「156.550円」付近までの下落も想定
【向こう1カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「156.550~169.470円」
【シーズナル・サイクル】『ユーロ/円は4月=上昇基調になりやすい』


今週20日、直近高値である「164.243円」(23/11/16、上図赤色三角印)を上回り、08年8月以来約15年7カ月ぶりとなる「165円台」を付けたユーロ/円。もう一段の上値切り上げとなるのでしょうか。今回は、タイムフレームを「週足」にして見ていきましょう。

上図では、1) 26週および52週MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上放れる“好転”が示現していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩上がりになりつつある(上図赤色点線丸印)ことから、現在のユーロ/円・週足チャートは、緩やかな上昇トレンドを示すチャート形状であると判断します。

他方、本稿執筆(22日)時点では、ローソク足(週足)が、ⅰ) 「買われ過ぎ」を示唆するBB(ボリンジャーバンド)・+2σライン付近での推移となっていること、そしてⅱ) 青色雲の上辺である先行1スパンに対してやや乖離が生じていることを合わせると、足もとのユーロ/円の上昇モメンタムはやや「スピード超過」の状態と見て良いのかもしれません。よって、今後は一旦のガス抜き/調整を意味する「反省相場」(=健全な調整[ヘルシーコレクション])となる可能性も。


そんな中、今後の注目ポイントは・・・上述した青色雲の上辺である先行1スパン、および約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAをメドとする「160.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。

筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①]
これからの時間にかけて「160.000円」で下値サポートされた場合は、「健全な調整(ヘルシーコレクション)の終了」→「下値固め完了」→「反発/上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォークの継続」や「遅行スパンの上放れ」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、08年8月につけた高値水準である「169.470円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上値トライも視野に入れるべきでしょう。

[シナリオ②]
一方で、「160.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「基準線割れ」→「もう一段の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「遅行スパンのローソク足への近接」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MAをメドとする「156.550円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も想定すべきでしょう。ただし、現状では、㋐52週MAが右肩上がりでの推移になっていること、そして㋑青色雲が分厚い形状(=強い下値支持帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。


上記シナリオ①および②を概括すると、ユーロ/円は今後しばらくの間下値しっかりの相場付きとなることが想定される中、向こう1カ月程度のスパンでは「156.550~169.470円」を“主戦場”(コアレンジ)とする展開になりそうです。

「4月」はユーロ/円が上昇基調になりやすい?

ユーロ/円のシーズナル・チャート
ユーロ/円のシーズナル・チャート出所:Equity Clock

上記テクニカル分析に加えて、月別でのトレンド傾向のデータである「シーズナル・チャート」(出所:Equity Clock)をベースにユーロ/円の季節的な動向分析をしてみましょう。


上図の「シーズナル・チャート」から分かることは・・・過去20年間のデータでは、ユーロ/円は『4月においては上値切り上げの相場付きになりやすい』(上図水色四角枠)ということ。

当該データはあくまで過去20年間における傾向・パターン、平均値であり、今年の4月相場にも必ず当てはまるものではありませんが、長期投資の鉄則である『平均への回帰』という確率の法則に準じると、その蓋然性(がいぜんせい)は高いと捉えた方が良いのかもしれません。

また、シーズナル・サイクルの観点では、株式相場や円相場も含めて『4月はリスクオン(選好)になりやすい』という傾向があることから、円安主体でのユーロ/円のさらなる上値切り上げについても想定した方が良いのかもしれません。


テクニカル分析に加えて、季節的な傾向・パターンの一例として捉えていただければ幸いです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想

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