Jトラスト Research Memo(2):大胆な事業ポートフォリオ見直しにより、成長段階に転換

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最新投稿日時:2024/03/08 16:02 - 「Jトラスト Research Memo(2):大胆な事業ポートフォリオ見直しにより、成長段階に転換」(フィスコ)

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Jトラスト Research Memo(2):大胆な事業ポートフォリオ見直しにより、成長段階に転換

配信元:フィスコ
投稿:2024/03/08 16:02
*16:02JST Jトラスト Research Memo(2):大胆な事業ポートフォリオ見直しにより、成長段階に転換 ■会社概要

1. 事業内容
Jトラスト<8508>は、国内外の金融事業などの事業会社を統括するホールディングカンパニーである。東証スタンダード市場に上場しており、日本で培ったノウハウを海外展開し、各国の利点を融合することで、アジアの総合金融グループとして成長を遂げてきた。同社グループでは、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業をベースに、東南アジア金融事業をけん引役として持続的な利益拡大を目指してきたが、コロナ禍による世界的な経済環境の悪化に直面したことから、2020年12月期よりいち早く抜本的な事業ポートフォリオの再編に踏み切った。その結果、2021年12月期には営業黒字に転換し、以降は事業ポートフォリオの見直しを行いながら営業利益を計上し続けている。

同社の事業は、銀行、保証、サービサー(債権回収)の3つを「コア事業」として金融事業を展開する。藤澤氏による2008年のTOB以降、数々のM&Aによりグループの業容は急速に拡大し、資産合計は2008年3月期末の12,189百万円から2023年12月期末には1,214,714百万円に拡大している。また、韓国・シンガポール・インドネシア・モンゴルの4ヶ国にわたる事業展開に加え、2019年8月には新たにカンボジアの優良銀行を傘下に収めた。コロナ禍による世界的な経済環境の悪化を受け、2020年8月以降は事業ポートフォリオを見直し、不動産事業ではキーノート(株)、日本金融事業ではJトラストカード(株)、韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行及びJTキャピタル(株)を売却した。その後は利益拡大に向け、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardを再グループ化し、新たにJトラストグローバル証券の子会社化及びミライノベートの吸収合併を実現した。

2023年12月期の事業セグメント別営業収益の内訳は、韓国及びモンゴル金融事業が41.4%を占め、東南アジア金融事業33.4%、日本金融事業12.3%、不動産事業12.2%、投資事業0.1%、その他(主にシステム事業)0.5%と続く。一方、営業利益については、日本金融事業は増益を確保し、不動産事業も負ののれん発生益計上により大幅増益となった。他方、韓国及びモンゴル金融事業は負ののれん発生益の剥落や貸倒引当金繰入額の増加などから、また再建に向けて注力してきた東南アジア金融事業は基準金利の上昇に伴う預金利息費用の増加などから、さらに投資事業は訴訟費用の計上から、それぞれ損失計上となった。今後は日本金融事業及び韓国及びモンゴル金融事業に加え、潜在成長性の高い東南アジア金融事業の拡大を図るとともに、不動産事業の増強により持続的な利益成長を目指す。

2. 沿革
同社の旧商号は株式会社イッコーで、中小企業及び個人事業主向け商業手形割引や手形貸付などの貸付業務を行っていた。1998年9月には大阪証券取引所市場第2部に上場した。2005年に全国保証<7164>が同社の親会社になったのち、2008年3月に藤澤氏がTOBにより筆頭株主となり、2009年には商号を現在のJトラスト株式会社に変更した。藤澤氏の下、債権回収会社やファイナンス会社などに対して機動的かつ効果的なM&Aを実施した。一方、リスク管理を基本とした事業運営を軸に、外部環境の変化に的確に対応するとともに、迅速な意思決定ができる経営体制を目指し、2010年には様々な金融事業のノウハウを有する持株会社制に移行した。

2011年6月に大阪から東京都港区に本社を移転し、国内において蓄積したファイナンスノウハウを生かしてさらにM&Aを加速した。2012年に韓国で貯蓄銀行業を開始し、2013年に東南アジアの投資拠点をシンガポールに設立した。2014年3月期から2015年3月期にはライツ・オファリングで調達した976億円を活用し、韓国におけるファイナンス会社や貯蓄銀行、インドネシアの商業銀行などを取得した。2019年8月には、カンボジアの優良銀行であるANZ Royal Bank (Cambodia)の株式55%を取得し、商号をJ Trust Royal Bank Plc.(以下、Jトラストロイヤル銀行)に変更した。なお、2019年3月期に東南アジア金融事業及び投資事業において不良債権の抜本的処理を断行し、大幅な営業損失を計上したが、業績回復への道筋となった。

2020年に入り世界的なコロナ禍による経済環境の激変に遭遇し、これまで安定的な利益貢献を続けていた韓国貯蓄銀行2行の売却など、抜本的な事業ポートフォリオの見直しに着手した。しかし、経済・社会環境の落ち着きに伴い資産のキャッシュ化を急ぐ必要性が薄まったことから、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardを2022年4月にグループに戻したほか、新たにJトラストグローバル証券を子会社化し、2023年2月にはミライノベートを吸収合併した。今後も藤澤氏の強力な指導力の下、同社グループの収益力拡大に向けた次の戦略が注目される。なお、本社機能の強化と業務効率化を図るため、2022年12月に本社を東京都渋谷区に移転した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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配信元: フィスコ

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