巴川紙 Research Memo(1):2024年1月「巴川コーポレーション」へ商号変更、新たな成長目指す

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最新投稿日時:2023/12/27 17:01 - 「巴川紙 Research Memo(1):2024年1月「巴川コーポレーション」へ商号変更、新たな成長目指す」(フィスコ)

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巴川紙 Research Memo(1):2024年1月「巴川コーポレーション」へ商号変更、新たな成長目指す

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/27 17:01
*17:01JST 巴川紙 Research Memo(1):2024年1月「巴川コーポレーション」へ商号変更、新たな成長目指す ■要約

1. 特殊紙製品を原点に「電気物性評価技術」を生かし、抄紙、塗工、粉体、粘・接着分野の新技術を生み出し成長
巴川製紙所<3878>は、初代社長井上源三郎(いのうえげんざぶろう)氏が電気絶縁紙のドイツ製見本を手掛かりに1900年初頭より研究開発に着手して国産化に初めて成功し、1914年に巴川製紙所を創設した。その後、電気物性評価技術、抄紙技術、粉体技術、塗工技術、粘・接着技術を生かし、数々の製品を創出し成長してきた。近年は「抄紙、粉体、塗工、粘・接着」技術とその組み合わせ技術に磨きをかけ、「熱・電気・電磁波」を制御する製品群「iCas(アイキャス)」の拡充や環境関連を中心にSDGsに対応する「グリーンチップ」ブランドとしての製品開発を進め、高機能性材料分野へと領域を広げ企業変革を進めてきた。

2. 2024年3月期上期の連結業績は5.9%減収、34.0%営業減益とトナー事業等の大幅減収ながら利益は上振れ着地
2024年3月期上期の連結業績は売上高16,497百万円(期初計画比1,003百万円未達、前年同期比5.9%減)も、営業利益は795百万円(同195百万円超過、同34.0%減)、経常利益996百万円(同396百万円超過、同26.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益431百万円(同231百万円超過、同65.6%減)と売上が未達成となるも利益では超過着地となった。売上面ではトナー事業が大幅減収となり、円安ながら在庫調整・価格競争激化などもあり減収、利益も原燃料高から大幅悪化した。一方で収益性の高い半導体・ディスプレイ関連事業において光学フィルムで一時的な受注を獲得、前期好調だった半導体実装用テープが計画比上振れとなるも前年同期比で減少したが、全体では増収を確保、利益面では増収効果に加え塗工機稼働率アップで増益に。機能性シート事業は機能性不織布が中国経済減速のため受注が伸び悩むも、新規案件獲得・価格改定などから増収を確保、利益面でもコスト上昇分の価格転嫁・コストダウン効果もあり営業黒字化。セキュリティメディア事業は宣伝印刷物の増加などで増収、営業利益も増収効果で増益に。全体を通じ価格転嫁、円安、生産性向上などでトナー事業の不振を補い、利益を確保した形となった。

3. 2024年3月期は5.4%増収、26.9%営業減益予想。トナー事業環境悪く売上達成は厳しいも利益確保は可能
2024年3月期の連結業績予想は売上高36,000百万円(前期比5.4%増)、営業利益1,500百万円(同26.9%減)、経常利益1,500百万円(同30.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同58.7%減)とした。部門別売上では期初計画に対しトナー事業の売上進捗率が芳しくないが、半導体・ディスプレイ関連事業は光学フィルム増もあり計画を上回る進捗率、その他は計画並みの進展となっている。下期、トナー事業が在庫調整の緩和で多少回復する予想だが、全体として会社計画に対し売上達成には努力が必要と見られる。ただし、利益面では上期の進捗率が53%となっており、下期にコスト増要因があるものの、一方で円安継続のプラス要因もあり、売上未達成でも利益については期初計画の達成が可能と見られる。

4. 第8次中期経営計画を増額修正し、2026年3月期売上高400億円、営業利益35億円目指す
同社は2021年5月に新中期経営計画(以下、中計)を策定し、2026年3月期の売上高36,000百万円以上、営業利益2,000百万円、新製品売上高比率を16%以上に高めることを目標として掲げた。この目標に対し、既に営業利益は前倒しで達成、改めて中計の見直しを行った。また同社は1955年に「誠実」「社会貢献」「開拓者精神」を創業精神として掲げ企業運営を行ってきたが、昨今の経営環境の変化を踏まえ、創業精神はバリュー(価値観)を表すものとして維持しつつ、ミッション(存在意義)を「感動こそが、持続可能な価値と考える。これまでも、これからも新製品・新技術開発に挑戦し、人や社会に新しい喜びを提案しつづける」、ビジョン(ありたい姿)を「グローバル視点の提案型ソリューションパートナーへ。前例にとらわれず、組織の壁を超え、チームと個の力を掛け合わせ、新たな感動を創造する。」として経営理念を再定義した。そして2024年1月に「株式会社巴川コーポレーション」に商号変更するとともに、2026年3月期を最終年度として、売上高40,000百万円、営業利益3,500百万円を定量目標として掲げた(以下、億円単位で表記)。

■Key Points
・2024年3月期上期の連結業績は前年同期比5.9%減収34.0%営業減益と、トナー事業の大幅減収も利益は予想を上振れて着地
・2024年3月期の予想は5.4%増収26.9%営業減益。トナー事業は環境悪く売上達成は厳しいも利益確保は可能
・2023年10月に東証所属業種が「化学」に
・2024年1月に巴川コーポレーションに商号変更予定。2026年3月期に売上高400億円、営業利益35億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

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配信元: フィスコ

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