*13:41JST ユニリタ Research Memo(1):2024年3月期上期は好調な受注環境を追い風として計画を上回る増収増益を実現
■要約
1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減など)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、「サービスシフト」の経営方針の下、新たなサービスモデル(クラウド活用により自社サービスを提供する継続課金型の収益モデル)への移行やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)ビジネスなどに取り組み、ビジネスモデルの変革を推進している。
2022年3月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートし、最終年度を迎えている。「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」を基本方針とし、事業セグメントを「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」に変更するとともに、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する方向性を打ち出している。
2. 2024年3月期上期決算の概要
2024年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比8.9%増の5,927百万円、営業利益が同50.0%増の504百万円と計画を上回る増収増益となった。売上高は、「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つの事業がそれぞれ順調に伸長した。「プロダクトサービス」は、電子帳簿保存法改正やインボイス制度対応に伴う電子化対応の動きが追い風となり、主力の自動化・帳票プロダクトが好調に推移した。「クラウドサービス」についても、DX推進の進展を背景として、情報システム部門向けにIT活用クラウドが順調に伸びている。「プロフェッショナルサービス」は、コンサルティング事業を起点とした高付加価値案件の受注増やグループ一体となった一括請負案件(システムインテグレーション)により大幅な増収となった。損益面でも、業務システムの再構築や次期中期経営計画の策定など、経営基盤整備のための投資を強化しながらも、増収による収益の押し上げや研究開発費の効率化などにより大幅な営業増益を達成した。営業利益率も8.5%(前年同期は6.2%)と高い水準を実現している。
3. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比5.2%増の12,150百万円、営業利益を同0.4%増の920百万円と増収増益を見込んでいる。DX推進を背景とする良好な受注環境が続くなかで、すべての事業が好調に推移する見通しである。特に、受注好調なコンサルティングを起点として、プロダクトのサービス化によるストック売上高の積み上げや主力クラウドサービスの伸び、システムインテグレーションの拡大も増収に寄与する想定となっている。損益面では、クラウドインフラ等の資材調達価格やIT人材不足による外部委託費の上昇などに加え、将来を見据えた人的資本の強化(人材獲得や教育研修など)、サービスシフトに向けた研究開発費など先行投資を予定しているものの、増収による収益の押し上げにより営業増益を確保する見通しである。また、これまで費用が先行してきた「クラウドサービス」の損益改善や、コンサルティングと一体となった高収益案件の獲得なども収益の底上げに寄与する想定となっている。
4. 中期経営計画の方向性
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化などに伴い、「クラウドサービス」の一部(事業推進クラウド事業、ソーシャルクラウド事業)などに進捗の遅れが見られるものの、今後の事業戦略そのものに変更はない。これまでの事業構造変革を通じて強化してきた「データマネジメント」「サービスマネジメント」「プロセスマネジメント」の3つのコアテクノロジーをもとに、顧客のビジネスモデルを変革していくためのDXサービスの確立により、今後の成長加速につなげていく考えだ。
■Key Points
・2024年3月期上期は好調な受注環境を追い風として計画を上回る増収増益を実現
・サービス化によるストック売上高の積み上げやIT活用クラウドの伸び、データ及びサービスマネジメント領域におけるコンサルティングなどが業績の伸びをけん引
・2024年3月期の業績予想を据え置き、積極投資をこなしながら増収増益を見込む
・グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する方向性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減など)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、「サービスシフト」の経営方針の下、新たなサービスモデル(クラウド活用により自社サービスを提供する継続課金型の収益モデル)への移行やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)ビジネスなどに取り組み、ビジネスモデルの変革を推進している。
2022年3月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートし、最終年度を迎えている。「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」を基本方針とし、事業セグメントを「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」に変更するとともに、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する方向性を打ち出している。
2. 2024年3月期上期決算の概要
2024年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比8.9%増の5,927百万円、営業利益が同50.0%増の504百万円と計画を上回る増収増益となった。売上高は、「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つの事業がそれぞれ順調に伸長した。「プロダクトサービス」は、電子帳簿保存法改正やインボイス制度対応に伴う電子化対応の動きが追い風となり、主力の自動化・帳票プロダクトが好調に推移した。「クラウドサービス」についても、DX推進の進展を背景として、情報システム部門向けにIT活用クラウドが順調に伸びている。「プロフェッショナルサービス」は、コンサルティング事業を起点とした高付加価値案件の受注増やグループ一体となった一括請負案件(システムインテグレーション)により大幅な増収となった。損益面でも、業務システムの再構築や次期中期経営計画の策定など、経営基盤整備のための投資を強化しながらも、増収による収益の押し上げや研究開発費の効率化などにより大幅な営業増益を達成した。営業利益率も8.5%(前年同期は6.2%)と高い水準を実現している。
3. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比5.2%増の12,150百万円、営業利益を同0.4%増の920百万円と増収増益を見込んでいる。DX推進を背景とする良好な受注環境が続くなかで、すべての事業が好調に推移する見通しである。特に、受注好調なコンサルティングを起点として、プロダクトのサービス化によるストック売上高の積み上げや主力クラウドサービスの伸び、システムインテグレーションの拡大も増収に寄与する想定となっている。損益面では、クラウドインフラ等の資材調達価格やIT人材不足による外部委託費の上昇などに加え、将来を見据えた人的資本の強化(人材獲得や教育研修など)、サービスシフトに向けた研究開発費など先行投資を予定しているものの、増収による収益の押し上げにより営業増益を確保する見通しである。また、これまで費用が先行してきた「クラウドサービス」の損益改善や、コンサルティングと一体となった高収益案件の獲得なども収益の底上げに寄与する想定となっている。
4. 中期経営計画の方向性
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化などに伴い、「クラウドサービス」の一部(事業推進クラウド事業、ソーシャルクラウド事業)などに進捗の遅れが見られるものの、今後の事業戦略そのものに変更はない。これまでの事業構造変革を通じて強化してきた「データマネジメント」「サービスマネジメント」「プロセスマネジメント」の3つのコアテクノロジーをもとに、顧客のビジネスモデルを変革していくためのDXサービスの確立により、今後の成長加速につなげていく考えだ。
■Key Points
・2024年3月期上期は好調な受注環境を追い風として計画を上回る増収増益を実現
・サービス化によるストック売上高の積み上げやIT活用クラウドの伸び、データ及びサービスマネジメント領域におけるコンサルティングなどが業績の伸びをけん引
・2024年3月期の業績予想を据え置き、積極投資をこなしながら増収増益を見込む
・グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する方向性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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