三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は減収となるも大幅黒字化

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最新投稿日時:2023/12/15 13:41 - 「三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は減収となるも大幅黒字化」(フィスコ)

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三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は減収となるも大幅黒字化

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/15 13:41
*13:41JST 三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は減収となるも大幅黒字化 ■要約

三栄コーポレーション<8119>は76年の歴史を持ち、高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には17ヶ所の拠点、国内直営小売店44店舗を持つ。欧州ブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表される商品OEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。ビジネスモデル面ではOEM事業が売上高の約7割、ブランド事業が約3割である。事業セグメント別では家具家庭用品事業(2024年3月期第2四半期売上比46.0%)、服飾雑貨事業(同38.1%)、家電事業(同10.8%)の3事業が柱となっている。

1. 2024年3月期第2四半期の業績
2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が17,048百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益が459百万円(前年同期は285百万円の損失)、経常利益が560百万円(同238百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が510百万円(同283百万円の損失)と、売上高・各利益ともに期初の計画を上回った。売上高では、服飾雑貨事業が増収となったものの家具家庭用品事業が減収となり前年同期比で全社として若干の減収となった。服飾雑貨事業では、外食・旅行などサービス消費の増加に加えてインバウンド需要の回復を背景に、外出・トラベル関連商材の需要が増えた。家具家庭用品事業では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)時に旺盛であった巣ごもり需要の剥落に加え、海外拠点において欧州景気低迷の影響があった。営業利益では、服飾雑貨事業での増収や構造改革の進捗、家電事業での自社工場における生産効率の改善等により、前年同期比744百万円増の459百万円と大幅増益を達成した。経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も同様に好調となった。

2. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.5%減の35,000百万円、営業利益が前期比97.4%増の470百万円、経常利益が前期比131.8%増の600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が300百万円(前期は158百万円の損失)と、期初より各利益の予想を大幅に上方修正した。売上面では、上期の減収を踏まえ期初計画を1,000百万円下方修正した。コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ期)に入り需要の回復が見られるものの、商品カテゴリーや地域によっては需要の減退も見込まれる。家具家庭用品事業では、巣ごもり需要の反動減や欧州市場の景気低迷が減収予想の前提である。服飾雑貨事業では、外出・トラベル需要が第3四半期以降一段落することやブランド販売子会社での事業再編が途上にあることを見込んでいる。利益面では、営業利益は350百万円、経常利益は400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は270百万円と大幅に上方修正した。主力の家具家庭用品事業で減益となるものの、ほかの事業セグメントで構造改革・体質改善の成果が顕在化することで増益を達成する予想である。弊社では、下期単独での売上高予想17,951百万円、営業利益予想10百万円は、前年同期から減収減益予想であり、やや保守的であると考えている。

3. 成長戦略
同社は、2026年3月期を最終年度とする新中期経営戦略「SANYEI 2025」を開始した。定量目標として、売上高で500億円、経常利益で20億円を掲げる。重点施策の1つである「グループ事業構造、事業ポートフォリオの見直し」では対策が加速している。ドイツの陶磁器「Villeroy & Boch(ビレロイアンドボッホ)」を輸入販売する子会社(株)エッセンコーポレーションは解散・清算が決定した。調理器具よりも陶磁器のマーケットが小さく、競争も熾烈であり、売上が停滞していたことがその要因である。「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」商品を扱う子会社(株)ベネクシーでは、店舗の業態を「BIRKENSTOCK」からセレクトショップである「BENEXY(ベネクシー)」「Quorinest(クオリネスト)」に変更する取り組みを行ってきており、2024年9月までに全店完了の計画である。それに伴い商品の継続投入及び認知度向上により業態変更後の店舗の来店魅力を作ることが課題となる。「Kipling(キプリング)」を取り扱う(株)L&Sコーポレーションでは店舗数の削減と卸売りへの注力への方針転換や新規販路開拓が進捗しており、収益性が確実に向上している。進捗に差はあるものの選択と集中を過去から継続して行っており、改善効果が顕在化しつつある。

4. 株主還元策
同社では、株主に対する適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けている。財政状態や今後の業績動向・資金需要などを総合的に判断し利益配分を行う方針である。配当に関しては、企業理念である「随縁の思想」の下、同社と縁を紡ぐ株主が安心して株式を長期保有できるよう可能な限り継続的に実施するとしている。コロナ禍以前の2019年3月期は年間配当160円だったが、コロナ禍の影響で業績が落ち込んだ2021年3月期から2023年3月期は年間配当20円と、一定の配当を維持してきた。2024年3月期の配当予想は、年間配当20円(中間10円、期末10円)である(期初予想どおり)。弊社では、下期の業績次第では増配も期待できると考えている。

■Key Points
・2024年3月期第2四半期は、外出トラベル商材関連商品の需要回復や店舗・工場の構造改革の進捗により大幅増益
・2024年3月期通期は売上高35,000百万円、経常利益600百万円と利益予想を大幅上方修正。構造改革を継続しつつ成長の基礎固めを行う
・3年後に経常利益20億円を目指す新中期経営戦略が順調にスタート。構造改革では成果が顕在化、新商品の投入が加速中

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ

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