天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める

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最新投稿日時:2023/12/12 14:31 - 「天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める」(フィスコ)

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天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/12 14:31
*14:31JST 天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める ■要約

天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間業績低迷に苦しんだが、2017年3月期に9年ぶりに復配(年間3円)した。その後も業績は堅調に推移し、足元では非自動車分野への投資を積極化しており、今後の動向が注目される。

1. 2024年3月期第2四半期の連結業績
2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高12,842百万円(前年同期比17.9%増)、営業利益502百万円(同88.5%増)、経常利益726百万円(同63.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益566百万円(同71.6%増)となり、営業利益は期初予想(310百万円)を大きく上回った。主要な向け先である自動車メーカーの生産台数が回復したことに加え、米国で積極的に投資を行ってきた物流向け製品の製造が立ち上がってきたことから、営業利益以下の各利益は大幅増となった。減価償却費は1,078百万円(同16.4%増)となったが、これを吸収して営業利益は増益となった点は評価できるだろう。この結果、減価償却前営業利益(EBITDA)も1,580百万円(同32.6%増)と大きく増加し、見かけ以上に収益構造は改善しつつあり、財務基盤はさらに強化されたと言えるだろう。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期通期の業績は、売上高28,000百万円(前期比17.2%増)、営業利益1,000百万円(同65.3%増)、経常利益1,200百万円(同59.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益900百万円(同47.0%増)を予想しており、営業利益は期初予想(800百万円)から上方修正された。主要顧客である大手自動車メーカーの生産は引き続き堅調に推移すると予想されること、米国での物流向け事業はさらに拡大が期待できることなどから増収増益が見込まれている。ただし、下半期には米国での事業は上半期以上の拡大が期待できる点を考慮すると、比較的固めの予想と思われ、通期でも上方修正の可能性はあると弊社では見ている。さらに通年の減価償却費は2,000百万円ほどの予想であることから、EBITDAは3,000百万円(前期比20.1%増)となる見込みであり、この点は大いに注目する必要がありそうだ。

3. 年間3円配当は継続。非自動車分野への積極的な投資が回収期入りへ
同社は2017年3月期からは年間3円の配当を継続しており、2024年3月期も年間3円の配当が予定されている。キャッシュ・フローを見ると増配余地もあるが、米国子会社への大型設備投資を行ったため3円配当に留まっている。ただし、前期までの大型設備投資の効果が出始めており、今後さらに業績が拡大するようになれば増配の可能性もありそうだ。今後の動向が楽しみである。

■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力は高く顧客からの信頼は厚い
・2024年3月期第2四半期は88.5%の営業増益、通期でも65.3%増を見込む
・年3円配当は継続。米国子会社の大型設備投資の回収が進めば増配の可能性も

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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