*14:40JST アドバンクリエ Research Memo(10):「OMO×FinTech」戦略などによる成長ポテンシャルは大きい
■今後の見通し
2. 目標とする経営指標と成長戦略
アドバンスクリエイト<8798>は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2022年9月期実績17.0%)、ROE20%以上(同18.9%)、自己資本比率80%以上(同57.2%)を掲げている。このうち、自己資本比率については目標達成までにまだ時間を要すると見られるものの、ROEについては既に2021年9月期に達成しており、2023年9月期も業績が会社計画を達成すれば20%台に上昇することが見込まれる。同社は、先進テクノロジーを活用した「OMO×FintTech」の推進による生産性向上、並びに「ポートフォリオ戦略」を推進することで高成長を目指す戦略だ。
「OMO×FinTech」戦略では、マス広告がメジャーな保険業界において、SNSや動画、AIデータ解析などを用いた最先端のマーケティングテクノロジーを駆使して、ITリテラシーの高いアッパーミドル層の顧客を中心にアプローチしていく。また、効率的なデジタルマーケティングを実施することでマーケティングコストを低減するだけでなく、蓄積したノウハウをメディア事業やメディアレップ事業に活用し、これら事業の拡大に結び付けていく。ASP事業でも引き続きサービスの利便性向上や生産性向上につながる機能を自社開発し、提携代理店を中心に導入拡大を図る。利益率が相対的に高いメディア事業やASP事業の成長によって、全体の収益性向上にもつながる。
直営店については、前述のとおり人財の採用・育成を進めると同時に、オンライン面談やアバター活用等による生産性向上にも取り組んでいく。育成に関してはオンライン保険相談によって収集した多くの成功事例を分析・活用することで、従来よりも育成スピード並びに質の向上が期待される。課題は人材不足が続くなかで、新卒・中途入社希望者をいかに多く集めることができるかという点が挙げられるが、前述したように地方拠点で認知度の向上により採用が増えつつあるのは良い兆しと言える。
ポートフォリオ戦略としては「販売チャネルのポートフォリオ」と「収益のポートフォリオ」の2つの観点で推進する。「販売チャネルのポートフォリオ」は、直営店による対面販売、通信及びインターネット販売、協業による提携代理店への送客、オンラインビデオ通話システムを使った販売と、多様な販売チャネルのなかから最適なチャネルを使って保険商品の販売を効率的に伸ばしていく。「収益のポートフォリオ」は、保険に関わるあらゆる収益機会にアプローチすることで安定性の高い収益基盤を構築し、業容拡大を図る戦略だ。同様のビジネスモデルを構築している企業はほかにないことから同戦略は同社の強みにもなる。今後も常に業界の一歩先を進み「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を目指すことで、成長が続くものと期待される。国内における保険業界の市場規模は年間約47.7兆円で、このうちリテール分野は約20兆円と試算されている。同社の取扱高は約400億円でシェアは1%にも満たない。換言すれば、シェア拡大による成長ポテンシャルが極めて大きいとも言える。2023年9月期は円安による保険解約の影響や再保険事業の一時的な収益悪化というマイナス要素が発生したため期初計画を下方修正したが、成長戦略そのものは順調に進んでいるものと評価される。このため通期業績計画を達成すれば、2024年9月期以降も高成長を持続する可能性が高まり、その動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 目標とする経営指標と成長戦略
アドバンスクリエイト<8798>は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2022年9月期実績17.0%)、ROE20%以上(同18.9%)、自己資本比率80%以上(同57.2%)を掲げている。このうち、自己資本比率については目標達成までにまだ時間を要すると見られるものの、ROEについては既に2021年9月期に達成しており、2023年9月期も業績が会社計画を達成すれば20%台に上昇することが見込まれる。同社は、先進テクノロジーを活用した「OMO×FintTech」の推進による生産性向上、並びに「ポートフォリオ戦略」を推進することで高成長を目指す戦略だ。
「OMO×FinTech」戦略では、マス広告がメジャーな保険業界において、SNSや動画、AIデータ解析などを用いた最先端のマーケティングテクノロジーを駆使して、ITリテラシーの高いアッパーミドル層の顧客を中心にアプローチしていく。また、効率的なデジタルマーケティングを実施することでマーケティングコストを低減するだけでなく、蓄積したノウハウをメディア事業やメディアレップ事業に活用し、これら事業の拡大に結び付けていく。ASP事業でも引き続きサービスの利便性向上や生産性向上につながる機能を自社開発し、提携代理店を中心に導入拡大を図る。利益率が相対的に高いメディア事業やASP事業の成長によって、全体の収益性向上にもつながる。
直営店については、前述のとおり人財の採用・育成を進めると同時に、オンライン面談やアバター活用等による生産性向上にも取り組んでいく。育成に関してはオンライン保険相談によって収集した多くの成功事例を分析・活用することで、従来よりも育成スピード並びに質の向上が期待される。課題は人材不足が続くなかで、新卒・中途入社希望者をいかに多く集めることができるかという点が挙げられるが、前述したように地方拠点で認知度の向上により採用が増えつつあるのは良い兆しと言える。
ポートフォリオ戦略としては「販売チャネルのポートフォリオ」と「収益のポートフォリオ」の2つの観点で推進する。「販売チャネルのポートフォリオ」は、直営店による対面販売、通信及びインターネット販売、協業による提携代理店への送客、オンラインビデオ通話システムを使った販売と、多様な販売チャネルのなかから最適なチャネルを使って保険商品の販売を効率的に伸ばしていく。「収益のポートフォリオ」は、保険に関わるあらゆる収益機会にアプローチすることで安定性の高い収益基盤を構築し、業容拡大を図る戦略だ。同様のビジネスモデルを構築している企業はほかにないことから同戦略は同社の強みにもなる。今後も常に業界の一歩先を進み「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を目指すことで、成長が続くものと期待される。国内における保険業界の市場規模は年間約47.7兆円で、このうちリテール分野は約20兆円と試算されている。同社の取扱高は約400億円でシェアは1%にも満たない。換言すれば、シェア拡大による成長ポテンシャルが極めて大きいとも言える。2023年9月期は円安による保険解約の影響や再保険事業の一時的な収益悪化というマイナス要素が発生したため期初計画を下方修正したが、成長戦略そのものは順調に進んでいるものと評価される。このため通期業績計画を達成すれば、2024年9月期以降も高成長を持続する可能性が高まり、その動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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