*14:51JST ジェーソン Research Memo(1):徹底したローコスト経営に強み。物価上昇を追い風に、業績拡大が続く
■要約
ジェーソン<3080>は、関東一円で、低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストア「ジェーソン」をチェーン展開しており、2023年2月末時点で直営店111店舗を有する。「ムリ・ムラ・ムダ」を省いた徹底したローコスト経営に強みがある。インフレによる値上げラッシュは、同社が属するディスカウントストア業界にとって追い風となっている。ナショナルブランド品を低価格で販売できるディスカウント店の利用者層が広がっていることに加え、さらに安価なプライベートブランド(PB)商品へのニーズも高く、同社は独自ルートで仕入れた低価格商品「JV(ジェーソン・バリュー)商品」※や、同社初のPB商品「尚仁沢(しょうじんざわ)の天然水」(ミネラルウォーター)などを展開している。同社の既存店売上高は順調な伸びを示しており、長期的にはPB商品の取り扱い拡大などを通じてさらなる業績拡大が期待される。
※JV商品とは、同社が独自の仕入れルートにより他社よりも低価格を実現した商品。
1. 2023年2月期の業績概要
2023年2月期の連結業績は、売上高が前期比3.6%増の27,226百万円、営業利益が同8.2%減の801百万円となった。同社が期初時点で発表した予想(売上高27,000百万円、営業利益960百万円)に対しては、売上高はほぼ想定どおりとなったが、営業利益は159百万円の下振れとなった。これは電気料金をはじめとしたエネルギー価格の高騰により、水道光熱費を中心とした諸経費の上昇幅が期初の想定を上回ったためである。2023年2月期の主なトピックスとしては、1) 前年同月に新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)に関連する特需が発生した2023年1月、2月を除けば、月次売上高は前年同月比105%超と好調に推移したこと、2) 上期に3店舗、下期に2店舗の合計5店舗を新規出店した一方、2店舗を閉店し、店舗数は年間で3店舗純増したこと、3) JV商品・PB商品の取り扱いが拡大したこと(JV商品を中心に低価格の追求、「尚仁沢の天然水」の増産体制強化、製造子会社の収益化への取り組み)が挙げられる。
2. 2024年2月期の業績見通し
2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比4.7%増の28,500百万円、営業利益が同19.8%増の960百万円を見込む。2023年2月期に新規出店した店舗の売上寄与が見込まれること、同社が強みとするローコスト経営の推進、「尚仁沢の天然水」の増産に伴う製造子会社の収益化、管理業務の自動化推進のほか、2023年2月期に想定外の減益要因となった水道光熱費の高騰についても前期ほどの急激な上昇とはならない見込みであることから、営業利益は大幅な増益が見込まれている。なお1株当たり配当金は2023年2月期と同額の13.0円を見込んでおり、会社業績予想に基づく配当性向は26.4%である。同社では2021年2月期から13.0円の配当を継続しているが、配当性向20%以上を意識しつつ、安定的な配当を続ける意向である。
3. 中長期成長に向けた2024年2月期の取り組み
同社は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を推進している。2024年2月期の主な施策として1) 新規出店の加速、2) JV商品やPB商品の取り扱い拡大、3) 経営効率の向上、の3点を掲げている。1) については、店舗開発人員を拡充し店舗物件の情報収集力を強化するほか、居抜き物件を中心としたローコスト出店を推進する計画である。2) については、JV商品を中心にロープライスを訴求し、引き続き物価高に対抗するほか、「尚仁沢の天然水」の増産体制を強化し、製造子会社の収益化にも取り組む。3) については、プロジェクト管理システムの活用によるマネジメント体制の高度化、省エネ・省人化の徹底、非効率業務の見直し、管理業務の自動化推進等を進める計画である。
■Key Points
・低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストアチェーンを関東一円で展開。2023年2月末時点で直営店111店舗を有する
・国内のディスカウントストア市場は物価高などを追い風として拡大が続いており、同社はJV商品やPB商品の取り扱い拡大で売上成長が続く見通し
・2023年2月期は想定外の水道光熱費の高騰が業績に一時的にネガティブな影響を及ぼしたが、2024年2月期からは再び成長軌道へ回帰する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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ジェーソン<3080>は、関東一円で、低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストア「ジェーソン」をチェーン展開しており、2023年2月末時点で直営店111店舗を有する。「ムリ・ムラ・ムダ」を省いた徹底したローコスト経営に強みがある。インフレによる値上げラッシュは、同社が属するディスカウントストア業界にとって追い風となっている。ナショナルブランド品を低価格で販売できるディスカウント店の利用者層が広がっていることに加え、さらに安価なプライベートブランド(PB)商品へのニーズも高く、同社は独自ルートで仕入れた低価格商品「JV(ジェーソン・バリュー)商品」※や、同社初のPB商品「尚仁沢(しょうじんざわ)の天然水」(ミネラルウォーター)などを展開している。同社の既存店売上高は順調な伸びを示しており、長期的にはPB商品の取り扱い拡大などを通じてさらなる業績拡大が期待される。
※JV商品とは、同社が独自の仕入れルートにより他社よりも低価格を実現した商品。
1. 2023年2月期の業績概要
2023年2月期の連結業績は、売上高が前期比3.6%増の27,226百万円、営業利益が同8.2%減の801百万円となった。同社が期初時点で発表した予想(売上高27,000百万円、営業利益960百万円)に対しては、売上高はほぼ想定どおりとなったが、営業利益は159百万円の下振れとなった。これは電気料金をはじめとしたエネルギー価格の高騰により、水道光熱費を中心とした諸経費の上昇幅が期初の想定を上回ったためである。2023年2月期の主なトピックスとしては、1) 前年同月に新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)に関連する特需が発生した2023年1月、2月を除けば、月次売上高は前年同月比105%超と好調に推移したこと、2) 上期に3店舗、下期に2店舗の合計5店舗を新規出店した一方、2店舗を閉店し、店舗数は年間で3店舗純増したこと、3) JV商品・PB商品の取り扱いが拡大したこと(JV商品を中心に低価格の追求、「尚仁沢の天然水」の増産体制強化、製造子会社の収益化への取り組み)が挙げられる。
2. 2024年2月期の業績見通し
2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比4.7%増の28,500百万円、営業利益が同19.8%増の960百万円を見込む。2023年2月期に新規出店した店舗の売上寄与が見込まれること、同社が強みとするローコスト経営の推進、「尚仁沢の天然水」の増産に伴う製造子会社の収益化、管理業務の自動化推進のほか、2023年2月期に想定外の減益要因となった水道光熱費の高騰についても前期ほどの急激な上昇とはならない見込みであることから、営業利益は大幅な増益が見込まれている。なお1株当たり配当金は2023年2月期と同額の13.0円を見込んでおり、会社業績予想に基づく配当性向は26.4%である。同社では2021年2月期から13.0円の配当を継続しているが、配当性向20%以上を意識しつつ、安定的な配当を続ける意向である。
3. 中長期成長に向けた2024年2月期の取り組み
同社は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を推進している。2024年2月期の主な施策として1) 新規出店の加速、2) JV商品やPB商品の取り扱い拡大、3) 経営効率の向上、の3点を掲げている。1) については、店舗開発人員を拡充し店舗物件の情報収集力を強化するほか、居抜き物件を中心としたローコスト出店を推進する計画である。2) については、JV商品を中心にロープライスを訴求し、引き続き物価高に対抗するほか、「尚仁沢の天然水」の増産体制を強化し、製造子会社の収益化にも取り組む。3) については、プロジェクト管理システムの活用によるマネジメント体制の高度化、省エネ・省人化の徹底、非効率業務の見直し、管理業務の自動化推進等を進める計画である。
■Key Points
・低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストアチェーンを関東一円で展開。2023年2月末時点で直営店111店舗を有する
・国内のディスカウントストア市場は物価高などを追い風として拡大が続いており、同社はJV商品やPB商品の取り扱い拡大で売上成長が続く見通し
・2023年2月期は想定外の水道光熱費の高騰が業績に一時的にネガティブな影響を及ぼしたが、2024年2月期からは再び成長軌道へ回帰する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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