サスメド Research Memo(1):第三の治療法として注目されるデジタル治療を開発するベンチャー企業

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最新投稿日時:2023/03/29 14:01 - 「サスメド Research Memo(1):第三の治療法として注目されるデジタル治療を開発するベンチャー企業」(フィスコ)

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サスメド Research Memo(1):第三の治療法として注目されるデジタル治療を開発するベンチャー企業

配信元:フィスコ
投稿:2023/03/29 14:01
*14:01JST サスメド Research Memo(1):第三の治療法として注目されるデジタル治療を開発するベンチャー企業 ■要約

サスメド<4263>は、医薬品及び医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されるデジタル治療(Digital Therapeutics、以下、DTx)を開発する研究開発段階のベンチャー企業である。患者・医療従事者向けに治療用アプリを開発するDTxプロダクト事業、及び汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムなどによって医薬企業の臨床試験効率化を支援するDTxプラットフォーム事業を展開している。

1. DTxプロダクト事業では不眠障害治療用アプリが医療機器製造販売承認を取得
DTxプロダクト事業は治療用アプリを開発している。治療用アプリとは、薬剤や医療機器を用いた治療ではなく、患者のスマートフォンにダウンロードされたアプリケーションによって治療を施す新しいデジタル療法である。誰でも利用できる一般的なヘルスケアアプリ(ダイエットアプリ、歩行数計測アプリなど)とは異なり、治験によって確認された有効性・安全性に関わる医学的エビデンスに基づいて、薬機法上の医療機器として規制当局の薬事承認を得ることが必要になる。開発パイプラインの状況は2023年2月10日時点で10件である。このうち不眠障害治療用アプリについては2023年2月15日付で厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した。今後は、日本における独占的販売権を供与している塩野義製薬<4507>とともに、保険適用及び上市(2023年秋頃の見込み)に向けて準備を進める。製品上市後は塩野義製薬から販売額に応じたロイヤリティーを受領する。

2. DTxプラットフォーム事業では世界初ブロックチェーン技術を活用した企業治験を実施
DTxプラットフォーム事業は、不眠障害治療用アプリの開発過程で獲得したノウハウをベースに、臨床試験効率化支援サービスとして、治療用アプリ開発プラットフォームを活用したDTx開発支援サービス、医療ビッグデータを分析する機械学習自動分析システム、汎用臨床試験システムなどを提供している。特に汎用臨床試験システム「SUSMED SourceDataSync」はブロックチェーン技術を実装したモニタリングシステムにより、臨床試験で求められる高い水準でのセキュリティとデータ改ざん耐性を同時に実現するとともに、モニタリングに関する工数と費用の大幅削減に貢献する。2022年6月にはバイオベンチャー企業のアキュリスファーマ(株)と企業治験として世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する契約を締結し、同年11月に「SUSMED SourceDataSync」が稼働開始した。

3. 2023年6月期第2四半期は損失拡大して着地
2023年6月期第2四半期の業績(非連結)は、事業収益が前年同期比74.9%減の63百万円、営業利益が189百万円の損失(前年同期は45百万円の損失)、経常利益が187百万円の損失(同73百万円の損失)、四半期純利益が190百万円の損失(同88百万円の損失)となった。前年同期はDTxプロダクト事業で塩野義製薬との販売提携契約に基づく契約一時金を収益計上したが、2023年6月期第2四半期は同事業での収益計上がなく、全体として損失拡大した。DTxプラットフォーム事業は契約企業からのサービス利用料を収益計上した。なお研究開発費は62百万円(同144百万円)となった。

4. 2023年6月期通期は利益を上方修正して損失縮小予想
2023年6月期通期の業績(非連結)予想は2023年2月10日付で各利益を上方修正し、事業収益が前期比64.9%増の522百万円、営業利益が132百万円の損失(前期は229百万円の損失)、経常利益が131百万円の損失(同217百万円の損失)、当期純利益が139百万円の損失(同233百万円の損失)としている。期初予想に対して営業利益を310百万円、経常利益を311百万円、当期純利益を315百万円それぞれ上方修正した。事業収益については期初予想から変化がなく、DTxプロダクト事業で塩野義製薬からのマイルストン収入を、DTxプラットフォーム事業で契約先企業からのサービス利用料収入を見込んでいる。利益については、コストが従来予想を下回る見込み(採用計画の遅れに伴う人件費の未消化、直接応募の増加やリファラル採用の進展による採用費の抑制、臨床試験のスケジュール変更や公的資金の獲得による研究開発費の圧縮など)で、各利益は前期比で損失縮小を予想している。

5. 中長期成長見通し
同社は研究開発段階のベンチャー企業であり、当面は研究開発費が先行して期間損益のマイナスが継続する見込みだが、睡眠障害治療用アプリの医療機器製造販売承認を取得したため2024年6月期以降の収益が大幅に拡大する可能性がある。国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風であり、ほかの開発パイプラインについても順調に進捗すれば第2、第3の承認取得に向けた期待も高まる。また、製薬企業との共同開発案件に着手し始めており、パイプラインの拡充が加速する可能性もあるだろう。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大や、DTxプロダクト事業とDTxプラットフォーム事業のシナジーも予想される。こうした点を勘案して中長期成長ポテンシャルが期待できると弊社では評価している。

■Key Points
・第三の治療法として注目されているDTxの開発を軸に事業展開する研究開発段階のベンチャー企業
・不眠障害治療用アプリが2023年2月に医療機器製造販売承認を取得
・2023年6月期通期は上方修正して損失縮小を予想
・パイプラインの拡充が加速する可能性。中長期成長ポテンシャルに期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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配信元: フィスコ

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