[資源・新興国通貨12/19~23のポイント&注目通貨] 下落傾向が続く豪ドル/NZドル、1年ぶり安値

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最新投稿日時:2022/12/19 14:06 - 「[資源・新興国通貨12/19~23のポイント&注目通貨] 下落傾向が続く豪ドル/NZドル、1年ぶり安値」(八代和也)

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[資源・新興国通貨12/19~23のポイント&注目通貨] 下落傾向が続く豪ドル/NZドル、1年ぶり安値

著者:八代和也
投稿:2022/12/19 14:06

今週のポイント

20日の日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が決定されそうです。その通りの結果となり、黒田日銀総裁が会見で金融緩和を続ける方針を改めて表明すれば、円が軟調に推移する可能性があります。豪ドル/円やNZドル/円は底堅い展開になりそうです。

主要国株価や原油価格の動向には要注意です。米FRBやECB(欧州中銀)が23年の利上げを続ける方針を示したことで、世界的に景気が減速するとの懸念が強まっており、主要株価や原油価格は下値を試す可能性があります。主要国株価の下落は米ドルや円の上昇要因、原油価格の下落はカナダドルやメキシコペソの下落要因です。

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TCMB(トルコ中銀)は22日に政策会合を開きます。TCMBは8~11月まで4会合連続利下げを行っており、現在の政策金利は9.00%です。

TCMBは前回11月の会合時の声明で、「現在の政策金利(9.00%)が適切であると評価し、8月に始まった利下げサイクルを終了させることを決定した」と表明。利下げを停止することを示唆しました。TCMBは22日の会合で政策金利を9.00%に据え置くと考えられ、その通りの結果になればトルコリラに大きな反応はみられないかもしれません。

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BOM(メキシコ中銀)は12月15日の政策会合で0.50%の利上げを行うことを決定。政策金利を10.00%から10.50%へと引き上げました。

BOMの声明では、次回23年2月の会合での追加利上げが示唆されました。声明は一方で、次回以降の会合について「政策金利の水準をさらに調整する必要性と調整のペースについて、その時の状況に基づいて評価していく」と表明。利上げを近く停止する可能性も示しました。

メキシコの12月前半のCPI(消費者物価指数)が22日に発表されます。CPIでインフレ圧力の緩和が示されれば、利上げが近く停止されるとの観測が市場で強まる可能性があります。その場合にはメキシコペソの上値を抑える要因になりそうです。

今週の注目通貨ペア(1): <豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.04000NZドル~1.06000NZドル>

豪ドル/NZドルは12月16日に一時1.04714NZドルへと下落。21年12月以来、1年ぶりの安値をつけました。

豪ドル/NZドル下落の主な要因として、RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策スタンスの差が挙げられます。RBAは10月の政策会合で利上げ幅を0.50%から0.25%へと縮小し、その後11月と12月の会合でも0.25%の利上げ幅を維持。市場では、RBAは近く利上げを停止するとの観測があります。一方、RBNZは10月の会合で0.50%の利上げを行い、前回11月の会合では利上げ幅を0.75%へと拡大したうえ、1.00%利上げすることも検討。RBNZはまた、8月時点から政策金利見通しを上方修正しました。

今週(12/19- )は20日にRBA議事録が公表されます(12/6会合分)。議事録では、RBAの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるかどうかに注目。議事録が利上げ停止観測を強める内容になれば、豪ドル/NZドルへの下押し圧力は一段と強まる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.38000カナダドル>

米FRBは12月13-14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%利上げすることを決定。政策金利を4.25~4.50%へと引き上げました。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で23年も利上げを継続する意向を表明し、またFOMC参加者による政策金利見通し(ドット・プロット)は9月時点から上方修正されました。

一方、BOC(カナダ中銀)は12月7日の政策会合で0.50%利上げすることを決定。政策金利を3.75%から4.25%へと引き上げました。BOCの声明では、10月までの「政策金利はさらに引き上げる必要があると予想している」との文言が削除され、「政策金利をさらに引き上げる必要があるかどうかを検討する」と表明。利上げが停止される可能性も示されました。

FRBとBOCの金融政策面からみれば、米ドル/カナダドルは堅調に推移しそうです。今週(12/19- )は、21日にカナダの11月CPI(消費者物価指数)、23日に米国の11月PCE(個人消費支出)コアデフレーターが発表されます。これらの経済指標の結果次第で、米ドル/カナダドルは1.38034カナダドル(11/3高値)超えを試す可能性があります。

原油価格(WTI原油先物など)の動向にも目を向ける必要があるかもしれません。世界経済の先行きをめぐる懸念が強まれば、原油価格が下押しする可能性があります。その場合には原油価格の下落にも市場の意識が向いて米ドル/カナダドルの上昇要因になるかもしれません。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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