ギガプライズ、2Qは前期比で売上高+10.8%増、営業利益+39.8%の増収増益 各セグメントが好調に推移
2023年3月期第2四半期決算説明
佐藤寿洋氏(以下、佐藤):代表取締役社長の佐藤でございます。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。また、日頃よりご支援・ご協力いただき、重ねて御礼申し上げます。
では、11月10日に行った第2四半期の決算発表の内容について、取締役の植田よりご説明します。
2023年3月期 2Q 累計業績ハイライト
植田健吾氏:2023年3月期第2四半期決算について、ご説明します。
業績のハイライトです。連結売上高は84億2,300万円、前年同期比プラス10.8パーセントです。連結営業利益は13億4,800万円、前年同期比プラス39.8パーセントとなりました。KPIとしているISPサービスの提供戸数は、前期末と比べ8.2パーセント増加し、97万4,000戸となりました。
連結業績サマリ 前年同期比較
当連結会計年度の売上高、および営業利益についてご説明します。連結業績サマリの表をご覧ください。連結売上高は、集合住宅向けISPサービスの提供戸数が順調に推移し、前年同期比8億2,300万円増の、84億2,300万円で着地しました。業績予想に対する進捗率は48.5パーセントと、順調に推移しています。
連結営業利益は、ランニング収益の積み上げや、不動産事業の改善、原価率の低減および全社費用等の販管費減少により、前年同期比3億8,300万円増の13億4,800万円で着地しました。業績予想に対する進捗率は53.9パーセントと、こちらも順調に推移しています。
連結経常利益は、前年同期比3億8,800万円増の13億3,000万円で着地し、業績予想に対する進捗率は52.1パーセントです。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比2億1,400万円増の8億5,900万円で着地しました。業績予想に対する進捗率は54.3パーセントと、達成に向けて計画どおり推移しています。
当社の重要指標である集合住宅向けISPサービスの提供戸数についても、前期末の90万戸と比べ7.3万戸増加し、累計で97万4,000戸となり、今期計画の105万戸に向けて順調に推移しています。
連結売上高推移(四半期別)
四半期別の連結売上高推移についてご説明します。2019年3月期から、当第2四半期までの実績の比較になります。当第2四半期については、前年同期の39億1,600万円から4億1,400万円増加し、43億3,100万円となりました。各報告セグメントで増収となっています。
連結売上高 前年同期比較
前年同期との差異は、スライドのグラフのとおりです。報告セグメント別では、HomeIT事業がプラス8億2,000万円、不動産事業がプラス300万円となっています。
HomeIT事業の主な増加要因としては、集合住宅向けISPサービスのランニング収益がプラス8億2,700万円、クラウドカメラ等ソリューションサービスの売上がプラス5,500万円となっています。
主な減少要因は、集合住宅向けISPサービスのイニシャル収益がマイナス5,800万円、ネットワークサービスの売上がマイナス2,900万円となりました。不動産事業の増加要因は、主に社宅管理代行サービスの増収によるものです。
連結営業利益推移(四半期別)
四半期別の連結営業利益の推移です。こちらも売上高と同様に、2019年3月期から当第2四半期までの実績を比較しています。当第2四半期については、前年同期5億200万円に比べ、2億300万円増の7億400万円となりました。各報告セグメントで増益となっています。
連結営業利益 前年同期比較
前年同期との差異は、スライドのグラフのとおりです。営業利益の増減の要因をご説明します。
売上高の主なプラス要因は、集合住宅向けISPサービスのランニング収益増加によりプラス3億6,400万円、クラウドカメラ等ソリューションサービスの売上増加によりプラス1,500万円、不動産事業の売上増加によりプラス900万円となっています。
主なマイナス要因は、集合住宅向けISPサービスのイニシャル収益の減少によりマイナス1億500万円、ネットワークサービス売上の減少によりマイナス1,900万円となっています。売上高の増減による影響額をまとめると、プラス2億6,400万円となります。
費用の増減による主なプラス要因は、回線原価の減少によりプラス5,300万円、リース資産等の減価償却費の減少によりプラス5,700万円、運用体制費用の最適化による販管共通費の減少により、プラス2,700万円となっています。
主なマイナス要因は、集合住宅向けISPサービスの運用体制の強化による労務費、および外部委託費等の増加によりマイナス1,300万円、集合住宅向けISPサービスの保守費用の増加によりマイナス400万円となっています。費用の増減による影響額をまとめると、プラス1億2,000万円となります。
集合住宅向けISPサービス サービス提供戸数 実績
集合住宅向けISPサービスの提供戸数実績についてご説明します。2019年3月期から当第2四半期までの実績を比較しています。
スライドのとおり、サービスの導入戸数は順調に推移しており、前期末の90万戸に比べ7.3万戸増の、累計97万4,000戸で着地しました。今期計画の15万戸増に対しての進捗率は49.1パーセントと、達成に向けて順調に推移しています。
集合住宅向けISPサービス ランニング収益推移(カテゴリー別)
カテゴリー別のランニング収益推移です。スライドのグラフは、当社のランニング収益の内訳を分譲・賃貸・OEMと分けて示したものです。
当第2四半期累計期間のランニング収益は、58億3,000万円となりました。内訳は、OEMが51億6,500万円、賃貸が3億3,000万円、分譲が3億3,400万円となっています。
OEM提供は順調な成長を続けており、分譲や賃貸向けサービスも着実にランニング収益を積み上げています。引き続き、OEM提供先との連携を強化するとともに、分譲や賃貸向けサービスについてもさらなる拡大を図っていきます。
集合住宅向けISPサービス ランニング収益推移(四半期別)
集合住宅向けISPサービスのランニング収益推移です。スライドのとおり、当社の収益基盤であるランニング収益高は堅調に推移しており、当第2四半期は前年同期比16.1パーセント増の29億5,800万円となりました。引き続きランニング収益の最大化に向けて、提供戸数拡大に注力していきます。
連結収益構造推移
連結収益構造の推移です。当第2四半期の連結売上高84億2,300万円に対して、売上原価は60億6,600万円、原価率は72パーセント、前年同期比で1.4ポイントのマイナスとなりました。
販管費は10億800万円で、売上高における販管費率は12パーセント、前年同期比で1.9ポイントのマイナスです。営業利益は13億4,800万円で、売上高における営業利益率は16パーセント、前年同期比で3.3ポイントのプラスとなりました。
連結貸借対照表推移
連結貸借対照表推移です。前期末の実績と当第2四半期の実績を比較しています。総資産については、原材料およびリース資産等の減少により、3.3パーセント減の117億1,700万円となりました。
純資産は利益の積み上げにより、59億1,600万円となりました。自己資本比率については、50.5パーセントとなり、前期末より6.2ポイント改善しています。2023年3月期第2四半期決算についてのご説明は以上です。
2023年3月期の取り組み
佐藤:今期で取り組んでいる事業の進捗状況について、ご説明します。今期は、スライドに記載している4つのカテゴリーにあるとおり、前期の施策の深堀りに加え、新たな取り組みの推進により、当社グループの収益基盤であるランニング収益の最大化と、新たな領域へのチャレンジによる持続的な成長基盤の構築を目指しています。
2023年3月期の取り組み 2Q進捗状況について
各カテゴリーの進捗状況についてご説明します。今期の取り組みについて、上期の全体的な進捗においては、おおむね計画どおり推移していると考えています。
スライド左上の当社がメインとしている小規模集合住宅へのISPサービスについては、今期計画の15万戸増に対し、実績は7.3万戸増、進捗率は49.1パーセントと順調に伸ばしています。下期も引き続き、大手ハウスメーカーなどのOEM提供先企業への販売促進や、他社からのリプレイスを強化し、今期計画の105万戸達成に向けて注力していきます。
また、社宅管理代行サービスの提携不動産企業との連携を強化しており、このネットワークを活用して、今までアプローチできていなかったロングテールへの拡販を推進し、賃貸集合住宅市場でのシェア拡大を図っていきます。
運営体制についてです。昨今の相次ぐ通信障害の発生など、安全で安心した通信インフラの重要性がますます高まっています。当社では上位回線業者と連携し、通信障害等の未然防止に向けた取り組みを強化しています。自然災害や機器の不具合等に対しても、設備監視の拡張と効率化やコールセンターの充実により、保守・サポートの迅速化に努めてきました。
今後、ますます通信インフラの安定性が求められると予想され、さらなる運用体制の強化が重要であると考えています。当社としては引き続き、品質管理体制の効率化や高度化を図り、安全かつ安定したサービス提供を目指していきます。
左下の中規模・大規模集合住宅へのISPサービスの提供についてご説明します。2022年7月にリリースしたとおり、総戸数2,090戸の大規模分譲マンション「ワールドシティタワーズ」へのサービス提供を開始しています。
今後、修繕時期を迎える大型分譲マンションなどへのアプローチ強化のため、現在はマンション管理会社と組んで、新築および他社からのリプレイスに動いています。さらに、学生寮や体育館など大型施設へのサービス導入に向けて連携を強め、拡販に向けて取り組んでいます。
右上の集合住宅向け新サービスの開発・提供についてです。コロナ禍におけるテレワークや、動画配信サービスなどの普及により、通信の高速化や安定性を求めるニーズが高まりつつある中、当社は光回線の高速化、「Wi-Fi6」のサービス化に向けた検証や次世代通信に対応する機器の研究開発を進めており、来期中のリリースを目指しています。
クラウドカメラやIoT関連サービスに加え、右下のスマートタウン実現に向けた新たな取り組みについては、次のページで詳しくご説明します。
2023年3月期の取り組み 2Q進捗状況について
集合住宅向け新サービスとして位置付けている、クラウドカメラやIoT関連サービスの進捗状況についてご説明します。
クラウドカメラについては、セキュリティ対策へのニーズが高まっていることもあり、集合住宅向けのクラウドカメラは順調に伸びています。当第2四半期時点で、累計導入台数は4,000台を突破しています。
飲食店など新たな市場への販売は、コロナ禍の影響もあり苦戦しているものの、一部飲食店への試験導入を開始しています。今後のクラウドカメラ市場は、セキュリティ意識の向上による需要や、設置済みのアナログな防犯カメラからの切り替えなど、まだ伸びていく市場だと見込んでいます。
さらなる導入台数の拡大に向け、OEM提供先企業に対して、新築物件への標準化の推進や既存物件への浸透を目指し、関係強化と自社の運用体制の整備を進めていきたいと考えています。加えて、画像解析・動体検知などの機能面やサポート面の充実を図り、サービス品質を高めていきたいと考えています。
ホームセキュリティやスマートロックなどのIoT関連サービスについては、既存サービスの機能面の改善などを進めていましたが、現時点でなかなか軌道に乗せることができず、課題となっていました。次々と新しい技術やサービスが出てくる中、顧客のニーズをあらためて把握することで、サービスの機能や内容の見直しを図るとともに、現在はサービスの開発・販売体制の構築に注力しています。
今後はスマートホームの普及に向け、パートナー企業と連携し、快適で安全な暮らしを提供するサービスの拡充および展開を目指していきます。
2023年3月期の取り組み 2Q進捗状況について
新たな市場における新サービスとして位置付けているSmart Pole(スマートポール)や、分譲地向けインターネット接続サービスの進捗状況についてご説明します。
Smart Poleに関しては、信州スカイパークおよび佐世保市での実証実験を通じ、引き続き、公衆Wi-Fiや人流等の画像解析など、今後予定している拡張機能の実証実験を進めています。今後も機能の改善や拡充など、スマートタウン実現に向けたさまざまな可能性を試していきたいと考えています。
分譲地向けインターネット接続サービスについては、2022年5月に、当社として初めて「ミュアヘッド・フィールズ」居住エリアの分譲地へサービス提供を開始しました。
さらに今回、積水化学グループが展開する最先端技術を活かした「流山リードタウン」内にある戸建分譲街区「スマートハイムシティ流山富士見台」へ、分譲地向けインターネット接続サービスの導入が決定しました。2022年12月から竣工の予定で、現在準備を進めています。
「スマートハイムシティ流山富士見台」には、積水化学グループのインフラ技術および分譲地開発・管理ノウハウ、当社の通信技術に加え、スカパーJSAT社の放送設備・映像配信のノウハウを融合し、戸建分譲地で初めてとなる、光回線による全戸一括インターネット接続とテレビ視聴サービスの提供を実現する予定です。
今回の取り組みを機に、ハウスメーカーやパートナー企業の持つ技術を集結し、快適な住環境の提供を推進していきます。分譲地向けインターネット接続サービスの横展開や、IoT関連サービスとの組み合わせによるスマートホームの展開も視野に入れ、実績を積み上げていきたいと考えています。
2023年3月期の取り組み 2Q進捗状況について
合弁会社の株式会社LTM設立についてご説明します。まず、エイトノットアンドカンパニー社は、住宅関連企業の広告・販売促進や、住宅展示場の開発・運営およびそれに伴うプロモーション事業を展開しています。当社とは、2019年からイオンモール幕張新都心などの商業施設で「VR住宅展示場」を共同で運営し、住宅展示場の運営ノウハウと先進テクノロジーを掛け合わせた新たな試みに取り組んできました。
両社は社会の環境変化等を背景に、国内の住宅市場が大きく変化する中、リアルな住宅展示場においても、時代や生活者のニーズに合ったさまざまなコンテンツを総合的に取り揃えた複合施設を設けることで、イノベーションの創出につながり、住まいや暮らしの価値向上に貢献することができると考え、合弁会社を設立しました。
LTMでは、当社のネットワーク構築技術をはじめとするさまざまなサービスと、エイトノットアンドカンパニー社の住宅展示場の企画運営ノウハウといった両社の強みを持ち寄り、今までの住宅展示場の枠にとらわれず、IoTなどの先進テクノロジーによるライフスタイルの変革や、スマートタウン実現に向けた取り組みを推進し、住まいや暮らしの新しい形を提案するコミュニティの提供を目指していきます。
当社としては、LTMを通じ、ハウスメーカーをはじめとした住宅業界との関係強化や、パートナー企業との共創による新たなサービスの開発を行うなど、スマートタウン実現への取り組みを強化していきます。現時点では、具体的な取り組みについてお伝えすることができませんが、今後公表できるタイミングで随時発表していく予定です。
2023年3月期の取り組み 2Q進捗状況について
当社グループは、通信インフラの重要性が高まる中、主力である集合住宅向けISPサービスを安全かつ安定的に提供するため、さらなる運用体制の強化やサービス品質向上を追求し、これまでに培ったノウハウを最大限活用して、デジタル社会の基盤構築に貢献していきたいと考えています。
加えて、Smart Poleや分譲地向けインターネット接続サービスなど、新たな領域での事業にチャレンジし、優位性のあるサービスを開発することで市場競争力を高めていきます。
原材料・エネルギー資源の高騰や円安の影響など、コントロールできない事象が発生し、不安定な状況が続く中、影響を最小限にするべく、引き続き効率的な業務運用とコスト管理を徹底し、体制強化に取り組んでいきます。
当社グループは、「テクノロジーで人々の想いをつなぎ、豊かな社会を創造します」というミッション実現のため、住まいを中心とした街づくりへ貢献する企業として、企業価値の向上と持続的成⾧を目指します。
今期に取り組んでいる事業の進捗状況のご説明は以上です。ありがとうございました。資料に開示事項およびトピックスを掲載していますので、こちらもご参照ください。
佐藤氏よりご挨拶
本日はお忙しいところ、当社決算説明会にご出席いただき、誠にありがとうございました。25周年を迎えた今期、主力のISPサービスにおいては業界初となる提供戸数100万戸達成に向けて、引き続き推進していきます。
先ほどご説明したとおり、Smart Poleや分譲地向けインターネットサービスなど、新たな領域での事業展開も進めています。
今後も集合住宅向けのサービスを基盤として、スマートタウンの実現に向けたさまざまな取り組みを行い、さらなる成長を目指していきますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
Q&A
質疑応答に関しましてはこちらに掲載されております。
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