~医薬品製剤用の機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~
【ポイント】
・機械部門の受注が極めて好調である。2Q累計の受注は前年同期比+9%の84億円となった。2Q末の受注残も142億円と、過去最高になっている。前期の受注は前年度比+26%の156億円となったが、今期の受注も+10%とさらに拡大しよう。
・それでも、今期の会社計画は減益を見込んでいる。要因は2つある。1つは、部材調達の遅れと共に、米国でのコストアップが響いている。もう1つは、国内ジェネリックメーカー向けの製剤機械は納期が来期以降なので、今期には寄与してこない。米国のフロイント‐ベクターで受注が前期に急増した。ブラジルからの受注が急回復したことによる。しかし、部品・部材の調達が十分でなく、生産・出荷も遅れている。
・国内では大手ジェネリックメーカーで設備増強の動きが強まっている。品質不正問題の影響で、供給責任を巡り、設備の更新・新設が、当社の製剤機械の受注に結びついている。前下期に続き、今上期の受注も大幅な増加となった。今期に入ってからの受注採算は内外とも十分見直しているので、来期以降は業績に寄与してこよう。
・2020年に買収したイタリアのCos.Mec(コスメック)は、当社と重複しない搬送装置を有し、当社とは別の新興国市場に強く、米国ベクターとの連携も始まっている。上海に合弁で技術開発研究所(上海FCセンター)を設立した。製剤機械と医薬品添加剤のラボは、来年には稼働しよう。
・もう一つの主力分野である医薬品添加剤は、採算が大幅に改善し順調に伸びている。中国向やインド向けにも拡大できよう。品質保持剤も生産効率が改善し、収益性が高まっている。この化成品部門の業績は過去最高であるが、今期は機械部門の落ち込みをカバーできない。
・機械部門は来2024年2月期から本格回復するので、業績はV字回復を見せよう。中長期のビジョンとしては、日米伊中印での5極体制で、新市場の開拓を進め、2030年に向けて売上高300億円、営業利益30億円、海外売上比率50%、ROE10%以上というのが1つの目標になろう。
目次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、世界でも3強の1社
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 好調な受注増は来2024年2月期の業績に貢献
5.企業評価 新市場の開拓に期待
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2022年11月10日) |
698円 |
時価総額 | 128億円 (18.4百万株) |
PBR | 0.80倍 |
ROE | 3.1% |
PER | 25.9倍 |
配当利回り | 2.9% |
総資産 | 23031百万円 |
純資産 | 14694百万円 |
自己資本比率 | 63.8% |
BPS | 877.5円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.2 | 17616 | 1286 | 1341 | 787 | 45.7 | 12.5 |
2015.2 | 17424 | 1150 | 1249 | 695 | 40.4 | 15.0 |
2016.2 | 19027 | 1346 | 1394 | 961 | 55.7 | 12.5 |
2017.2 | 21164 | 2041 | 2097 | 1064 | 61.7 | 20.0 |
2018.2 | 19801 | 1971 | 1994 | 1477 | 85.7 | 20.0 |
2019.2 | 18408 | 1223 | 1326 | 843 | 50.2 | 20.0 |
2020.2 | 16772 | 558 | 582 | 381 | 22.8 | 20.0 |
2021.2 | 16765 | 1111 | 1308 | 970 | 58.0 | 20.0 |
2022.2 | 17632 | 981 | 1032 | 543 | 32.5 | 20.0 |
2023.2(予) | 19000 | 700 | 720 | 450 | 26.9 | 20.0 |
2024.2(予) | 21700 | 1500 | 1500 | 940 | 56.1 | 20.0 |
(2022.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2009年6月に1:2、2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/furoinntosanngyou202211.pdf
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