先週は、2日(水)まで堅調だったものの、FOMC後のパウエル議長発言で急落
先週の予測では前々週末の28日(金)の日経平均は、終値▲240円の27105円となっていたものの、引け後のNY市場で、アップルなどハイテク株の好業績発表を受けて、NYダウが△828ドルの32861ドルと6日続伸の大幅高となり、シカゴ日経先物が△495円の27505円と大幅高となっていたことで、戻りを試す場面が想定されました。
27500~27600円のレンジの中に25日移動平均線や52週移動平均線、13週移動平均線があることで、27600円台を終値で突破すれば、日経平均のチャートは上放れが明確になるとしました。
結果的に週始めの31日(月)は、一時△497円の27602円まで一気に上昇し、終値は△482円の27587円と大幅反発しました。
翌日11月1日(火)は、前日の米国株式は、NYダウは▲128ドルと7日ぶりに反落し、3指標そろって反落したものの、日経平均は、一時▲61円の27526円まで下げるものの、後場には△95円の27682円まで上昇しました。上昇は米株先物高、ハンセン株高に支えられての上昇でした。
この日の引け後の米国株式は、翌日のFOMC結果発表を控え警戒感から3指標そろって2日続落となりました。
2日(水)の日経平均は軟調な動きで始まり、▲132円の27546円まで下げましたが、27500円を守ってTDKやソニーなどの好決算に支えられて、一時△13円の27692円まで上昇し、午後はマイナス圏の動きとなりましが、下げ幅は小幅で▲15円の27663円で引けました。
2日までは27500円水準を下値にした下値固めとみていましたが、引け後の米国で予想外のことが起こりました、市場は11月の利上げ0.75%を完全に織り込み、12月のFOMCの利上げの縮小を織り込んでいるという楽観論で動いてきていました。
結果的に楽観論を否定するコメントは、FOMCの結果発表は期待通りであったものの、その後のパウエル議長の記者会見で「インフレは依然として高すぎる」「利上げ停止を議論するのは時期尚早」だというコメントがでたことで、利上げの長期化が示唆されたとして長期金利は上昇し、株価はNYダウで▲505ドル、ナスダックで▲366P、S&Pで▲96Pと3指標そろって急落しました。シカゴの日経先物は▲325円の27315円でした。
3日(木)の日本市場は文化の日で休場でしたが、この日の米国株式は引き続き3指標そろって続落となり、シカゴの日経先物は▲385円の27255円となっていました。
週末4日(金)は、前日の米株式が4日続落となって、シカゴ日経先物が▲385円の27255円となっていたことで、▲291円の27371円で寄り付き、一時▲631円の27032円まで下げました。後場になると売り一巡後は大引けにかけて下げ渋りましたが戻りは限定的で▲463円の27199円で引けました。引け後の米国では、今夜、発表される10月雇用統計の結果を見極めたいということで様子見となりました。
さて、注目の10月雇用統計は、非農業部門雇用者数は予想を上回り、平均時給も上昇し物価上昇圧力が続いていることを示しました、しかし失業率が小幅な上昇となり「過熱している労働市場の正常化への良い兆候」とみられ、利上げペースが減速するとの見方が強まり、これを受けてNYダウは上げ幅を一時600ドルを超え、終値では△401ドルの32403ドルで終了しました。為替は円が+1.58円まで買われ、シカゴ日経先物は△315円の27505円でした。
米中間選挙や10月消費者物価指数による米株式の様子をみながらのもみあいを想定
先週の日経平均は、FOMC通過後に波乱含みの展開となりました。11月3日(木)は文化の日で祝日のため、4営業日となりましたが、米国株はFOMCを控えて波乱含みとなる中、日本株は躍進し前週末比94円高の27199円と2週連続で上昇しました。
パウエル議長のFOMC後の記者会見で米国市場は2日間は大きく下げ、日経平均も週末4日(金)は、▲463円の27199円と急落となりました。しかし引け後の米国株が大幅反発し、シカゴ日経先物が27505円となっていますので、27000~28000円のレンジの中で27500円水準を中心としてもみあう展開となりそうです。
その中で、国内では決算発表のピークを迎えることになります。全体指数よりも引き続き好決算銘柄に物色の矛先が向くことが予想されます。全体としても好決算が相次いでおり、相場の上昇をサポートすることになりそうです。
2日のNYダウは▲505ドルの32147ドルと下落しましたが、10月13日の28660ドルから11月2日の高値33071ドルまで3週間で4411ドル(△15.3%)急上昇しており、2日のFOMCをキッカケに利益確定売りをだすキッカケになったといえます。短期急騰に対するスピード調整といえるのであり、米国では8日に中間選挙、10日に消費者物価指数と注目イベントが続きます。
インフレ警戒と景気後退懸念が入り交じり、またロシア・ウクライナ紛争もあり、しばらく株式市場は乱高下する可能性もあります。NYダウが下落すれば日経平均への影響はさけられませんが、25日移動平均線(26900円台)を維持しているうちはスピード調整の範囲とみてよいでしょう。そうであれば日柄調整では済まされないと思われます。
(指標)日経平均
先週の動き
先週の予測では、27500円水準でもみあって27600円を終値で上にぬければ28000円水準を目指すとしました。
前々週末の10月28日(金)にNYダウが6日続伸の△828ドルの32861ドルとなっていたことで、日経平均は10月31日(月)は△482円の27587円となりました。その後は、NYダウがFOMCを前に様子見となって反落したものの、2日(水)は27692円まで上昇しましたが、28000円を突破できませんでした。この日の引け後の米国では、FOMC後のパウエル議長の利上げ長期化を示唆する発言で、NYダウが▲505ドルの急落となり、休日明けの日経平均は▲463円の27199円で引けました。
しかし、週末の米国市場では、10月雇用統計を受け、FRBの利上げペースが減速するとの見方が強まり、△401ドルの32403ドルと反発し、シカゴ日経先物は△315円の27505円となっています。
今週の見通し
今週は、国内企業の決算発表がピークを迎えます。先週の米国株式はFOMC後の波乱でも結局は反発しており、日経平均も27500円水準での動きから始まりそうです。全体としては好決算が相次いでおり、相場のサポートとなります。好決算銘柄に物色の矛先が向くことになります。
日経平均の指数としては、11月2日の高値27692円を試すことになります。米株式の下げはスピード調整となりそうです。しばらくは乱高下の可能性があり日経平均も影響を受けることになります。25日移動平均線(26900円台)を守っていればスピード調整の範囲内とみてよいでしょう。そうであれば日柄調整となります。
(指標)NYダウ
先週の動き
前週は、アップルやインテルの予想を上回る結果や10月21日(金)にFRBは12月のFOMCで利上げペースを緩めるということを好感し上昇が続いていますが、FRBの利上げ幅の縮小が現実になれば売り圧力は限定としました。しかし結果をみるまで分からないとし、11月1~2日のFOMCでのパウエル議長の発言に注目としていました。
結局、11月2日のFOMCまではNYダウは33071ドルまでの高値をつけましたが、FOMC後のパウエル議長が記者会見で「利上げは長期化する」と示唆する発言をしたことで、NYダウは▲505ドルの32147ドルの急落となりました。
週末の4日(金)は、10月雇用統計は、雇用者数は予想を上回ったものの、失業率が小幅上昇したことで、労働市場の正常化への兆候として利上げペースが減速するとの観測が高まりNYダウは△401ドルの32403ドルと大幅反発しました。
今週の見通し
先週は、柴田罫線のチャートでは、目先の上値のフシは33300ドル水準としました。
結果的に2日に33071ドルまで上昇して目先のピークとなり、この日は▲505ドルの32147ドルとなり、3日は31727ドルまで下げました。しかし4日(金)は△401ドルと急反発しています。
10月13日の28660ドルから11月2日の高値33071ドルまで3週間で4411ドル(△15.3%)急上昇しており、11月2日の▲505ドルの下げはスピード調整といえます。しかし8日に中間選挙、10日に消費者物価指数を控えており、インフレ警戒感と景気後退が入り交じり株式市場は乱高下する可能性があります。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週のドル・円は伸びなやみました。11月1~2日のFOMCで0.75%の追加利上げが決定され、12月の利上げは減速するとの見方が浮上し、一時145.68円まで下落。パウエル議長が会見で利上げの長期化を示唆したことで、147円台後半までドルが戻しました。4日の10月雇用統計を受けて失業率が予想に反して上昇したことから利益確定売りを狙ったドル売りが広がり146.63円で引けました。
今週の動き
10月の失業率は上昇したものの、FRBによる金融引締めの長期化の思惑は消えていないため、長期金利の高止まりが続けばドル買い・円売りが直ちに縮小する可能性は低いとみられています。日銀の円安けん制で急激な円安は回避されるとの見方は多いが新たなドル売り材料が出なければドルは下げ渋るとみられています。予想レンジは145~148円。
最新人気記事
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 10:22
-