[資源・新興国通貨9/19~23のポイント&注目通貨]南アフリカ中銀やトルコ中銀の会合に注目

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最新投稿日時:2022/09/20 10:52 - 「[資源・新興国通貨9/19~23のポイント&注目通貨]南アフリカ中銀やトルコ中銀の会合に注目」(八代和也)

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[資源・新興国通貨9/19~23のポイント&注目通貨]南アフリカ中銀やトルコ中銀の会合に注目

著者:八代和也
投稿:2022/09/20 10:52

今週のポイント

今週(9/19- )は、21日の米FOMCや22日の日銀金融政策決定会合に注目です。FOMCでFRBは今後も利上げを続けるとの観測が強まれば、米ドルが全般的に堅調に推移し、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わる可能性があります。日銀は現在の金融緩和策を継続する姿勢を示すとみられます。その場合には日銀と他の主要中銀との金融政策の方向性の違いが市場で改めて意識されて、豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円は底固く推移しそうです。

SARB(南アフリカ中銀)は22日に政策会合を開きます。SARBは前回7月の会合で0.75%の利上げを行い、現在の政策金利を5.50%です。南アフリカの7月CPI(消費者物価指数)は前年比7.8%と、上昇率は前月の7.4%から加速し、SARBのインフレ目標(3~6%)を3カ月連続で上回りました(8月分は会合前日の9/21に発表)。SARBはインフレを抑制するため政策金利をさらに引き上げるとみられ、利上げ幅は前回と同じく0.75%になりそうです。その通りの結果になれば、5人の政策メンバーの投票行動に注目です。より大幅な1.00%の利上げを主張するメンバーがいれば、南アフリカランドにとってプラス材料になりそうです。前回7月会合時は、3人が0.75%の利上げを支持し、1人は1.00%の利上げ、1人は0.50%の利上げを主張し、メンバーの意見が分かれました。

TCMB(トルコ中銀)も22日に政策会合を開きます。TCMBは前回8月の会合で、1.00%の「利下げ」を行うことを決定。政策金利を14.00%から13.00%へと引き下げました。エルドアン大統領による圧力と考えられます。トルコの8月CPIは前年比80.21%と、上昇率は前月の79.60%から加速しました。本来は「利上げ」が必要と考えられるものの、22日の会合で政策金利は13.00%へと据え置かれそうです。ただ、TCMBは高インフレにもかかわらず8月に利下げした経緯があるため、利下げの可能性も排除できません。もし利下げが行われれば、トルコリラ安圧力が加わりそうです。

今週の注目通貨ペア(1): <豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.11000NZドル~1.13000NZドル>

NZの4-6月期GDP(15日発表)は前期比1.7%と、市場予想の1.0%を上回りました。一方、豪州の8月雇用統計は失業率が3.5%、雇用者数は前月比3.35万人増と、市場予想(3.4%、3.50万人増)よりも弱い結果でした。これらの結果は豪ドル/NZドルの上昇要因となり得るものの、豪ドル/NZドルの反応は限定的でした。GDPや雇用統計がRBNZ(NZ中銀)とRBA(豪中銀)の金融政策に与える影響はそれほど大きくないと市場が判断したためかもしれません。

今週(9/19- )は、20日にRBA議事録(9/6会合分)が公表されます。議事録でRBAの金融政策の先行きについて新たなヒントが提供されなければ、足もとの豪ドル/NZドルは1.12NZドル台前半を中心に推移しそうです。豪ドル/NZドルの目先のメドとして、下値が1.11135NZドル(9/8安値)、上値は1.12910NZドル(17年10月高値)が挙げられます。

今週の注目通貨ペア(2): <メキシコペソ/円 予想レンジ:6.800円~7.200円>

BOM(メキシコ中銀)は前回8月まで10会合連続で利上げを行い、政策金利は現在8.50%です。市場では、BOMは次回9月29日の会合で政策金利をさらに引き上げるとみられており、利上げ幅については直近2会合と同じ0.75%になるとの見方が有力です。

メキシコの9月前半のCPI(消費者物価指数)が22日に発表されます。市場予想は、総合指数が前年比8.71%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同8.24%。いずれも前月(8.62%、7.97%)から上昇率が加速するとみられています。BOMのインフレ目標は3%です(2~4%が許容レンジ)。CPIが市場予想を上回る結果になれば、29日の会合での0.75%の利上げ観測が補強されてメキシコペソの支援材料になる可能性があります。日銀が22日の金融政策決定会合で現在の金融緩和策を継続する姿勢を改めて示せば、メキシコペソ/円は7.199円(9/12につけた15年12月以来の高値)を超えるかもしれません。

原油価格(米WTI原油先物)や主要国株価の動向には注意が必要かもしれません。原油価格の下落はメキシコペソにとってプラス材料、株価の下落は円にとってプラス材料と考えられるため、原油安や株安が続くようなら、市場の意識はそれらにも向いてメキシコペソ/円の上値を抑える要因になる可能性もあります。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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