~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で先進~
【ポイント】
・半導体などの電子部品の供給不足によって、主要製品の生産に遅れが生じている。納期遅れや新規成約の先延ばしで、上期の業績は計画を下回り、下期の見込みも見直しを迫られている。今期は大幅減益となろう。
・来上期まで影響が出ようが、遅れた分は来期に売上に立ってくるので、かなり取り戻すことはできよう。よって来期の業績は好転しよう。また、2024年の新紙幣の発行に向けて、バスの運賃箱やそのシステムの更新需要が2023年度から全国的に出てこよう。
・10年ビジョンを策定し、今期から新3カ年経営計画をスタートさせた。2030年度で、売上高300億円、営業利益率10%を目指す。足元はコロナ禍がまだ続いており、主力のバス関連ビジネスの投資マインドは弱い。海外(米国、スウェーデン、シンガポール、タイ)のビジネスも低調で、回復はまだ鈍い。
・MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の一翼を担う当社の路線バス運行支援システム「LIVU」(ライブ:LECIP Intelligent Vehicle Unit)を活用したバスロケーションシステムは、4社のバス会社で採用が始まっている。新しいプラットフォームとして業界の先陣を切っており、いずれ需要に結びついてこよう。乗車券購入アプリ「QUICK RIDE」は、キャッシュレス化支援が高く評価され、回数券、定期券への利用も進み始めた。11社で採用され、事業機会が広がろう。
・米国では、バス用の新型運賃箱LF-7000で新規受注に成功した。SaaS型の初の受注なので、次の展開が期待できよう。欧州子会社で開発したキャッシュレス運賃収受器LV-700はEMSレベル2の認証を得て、欧州の公共バスや路面電車で実用化に進もう。実際、2月にドイツの有力システムインテグレータIVU社が採用を決めた。
・当社は、AFC(自動運賃収受システム)+TMS(運行管理システム)+EMS(エネルギーマネジメントシステム)を事業のコアとする。EMSについては、産業用EVのバッテリーなど事業ドメインを再定義して、新たな展開をめざす。3年後には、売上高200億円、営業利益10億円、ROE 8%以上という目標が達成できよう。プライム市場の条件適合に向けて、今後の展開に注目したい。
目次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割強を有するトップメーカー
3.中期経営計画 新ビジョンと中期計画でMaaSと海外市場開拓を推進
4.当面の業績 新型コロナの影響を克服しつつ業績は回復へ
5.企業評価 内外での新規受注案件の仕上がりに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年12月7日) |
599円 |
時価総額 | 85億円 (14.18百万株) |
PBR | 1.81倍 |
ROE | 4.7% |
PER | 38.4倍 |
配当利回り | 0.8% |
総資産 | 12754百万円 |
純資産 | 4267百万円 |
自己資本比率 | 33.5% |
BPS | 332.2円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.3 | 13480 | 477 | 526 | 292 | 23.4 | 7.5 |
2014.3 | 14157 | 151 | 164 | -98 | -9.1 | 8.5 |
2015.3 | 20215 | 603 | 779 | 227 | 20.8 | 8.5 |
2016.3 | 16203 | -571 | -649 | -1378 | -125.3 | 7.5 |
2017.3 | 16985 | 483 | 354 | 50 | 4.6 | 7.5 |
2018.3 | 15749 | -235 | -248 | -454 | -40.9 | 7.5 |
2019.3 | 21538 | 1021 | 1030 | 438 | 38.8 | 8.5 |
2020.3 | 26051 | 1854 | 1830 | 891 | 74.4 | 8.5 |
2021.3 | 15553 | -40 | 35 | -124 | -9.8 | 5.0 |
2022.3(予) | 13000 | -600 | -600 | -500 | -38.9 | 5.0 |
2023.3(予) | 18000 | 500 | 500 | 200 | 15.6 | 5.0 |
2024.3(予) | 20000 | 1000 | 1000 | 500 | 38.9 | 7.5 |
(2021.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期予想ベース。2005年11月1:10、2014年4月1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/reshiltupuHD202112.pdf
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