ビジョン(9416）市場地合い難で逆行高を見せる赤札銘柄に注目◆あすなろ投資顧問 加藤あきら◆

市場地合い難で逆行高を見せる赤札銘柄に注目

【事業内容】
　グローバルWi-Fi事業、情報通信サービス事業が主軸の企業。ホームページ制作等のWebマーケティング支援と成長事業のWi-Fiルーターレンタルの2本柱となっている。顧客基盤を活かした旅行関連サービスプラットフォーム事業に注力、海外渡航者の問題解決に役立つ情報・サービスの提供、訪日外国人をターゲットにした広告メディアサービスなどに取り組む。コロナ禍で打撃を受けた旅行関連事業の偏重を見直し、次世代起業家支援のポータルサイトやテレワーク電話代行サービスなども新たに立ち上げた。

【業績面】
　業績面においては2/15に本決算を発表し、前期実績は売上高39.0％減収、営業利益は96.9％減益とコロナ禍の影響を大きく受けて旅行関連ビジネスが劇的に落ち込んだ。新型コロナウイルス感染症の収束長期化を見込み、人々のニューノーマル対応で事業ポートフォリオ見直しに舵を切り、リモートワーク支援などBPOサービスの拡充で新たな収益基盤構築を急ぐ構え。今期は上期に減収影響が残るとしながら下期から徐々に回復軌道に入ることを想定、3つ目の柱となる事業の育成に注力していく。

【株価動向】
　株価は昨年3月に安値492円まで売り込まれ、コロナ禍影響の直接的な打撃が大きい企業として回復の鈍い足取りが続いた。ウィズコロナ、ニューノーマル順応の新規事業を立ち上げるなど見直し買いも徐々に入り始めたが、依然として市場物色の蚊帳の外に置かれる状態だった。一方、直近では市場内にコロナ収束を期待する出遅れ銘柄に注目が集まり、旅行・航空関連に資金が流入、同株も地合い悪化の中で逆行高する動きを見せていることから、動意期待が高まっていると言えよう。