ピクスタ Research Memo(4):出張撮影サービスのfotowa事業はニューボーンフォトが七五三と並ぶ柱に成長

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最新投稿日時:2020/09/15 15:04 - 「ピクスタ Research Memo(4):出張撮影サービスのfotowa事業はニューボーンフォトが七五三と並ぶ柱に成長」(フィスコ)

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ピクスタ Research Memo(4):出張撮影サービスのfotowa事業はニューボーンフォトが七五三と並ぶ柱に成長

配信元:フィスコ
投稿:2020/09/15 15:04
■事業内容

2. fotowa事業の概要
『fotowa』とは、ピクスタ<3416>が展開する出張撮影プラットフォームのブランドだ。同社が運営する『fotowa』サイト上において、登録フォトグラファー(全国約1,000人)と個人利用者をマッチングさせて、利用者が希望する場所及びシチュエーションにおいて登録フォトグラファーが撮影するサービスである。

『fotowa』が狙うのは、撮り下ろし市場の中でも街中の写真館における撮影の市場だ。この市場は子供の成長やイベントに合わせた家族写真が主体のため、「子供写真館市場」とも呼ばれている。この市場は少子化にもかかわらず右肩上りが続いており、足元では700億円以上の市場規模があると推定される。出張撮影のニーズは子供関連にとどまらず、成人からシニア層まで幅広く存在していることから、出張撮影サービスの潜在市場規模は、掘り起こし方次第では子供写真館市場の規模を大きく上回り、数千億円に達するという見方もある。

『fotowa』はこの市場において、以下の3つの強みで切り込んでいる。1つ目は「場所を自由に選べるのでナチュラルでおしゃれな写真が期待できること」だ。写真館の撮影は画一的なテイストのフォーマルな写真であることがほとんどだが、『fotowa』は全47都道府県でサービスを提供していることも強みとなっている。2つ目は「わかりやすい一律料金」だ。平日19,800円、土日祝日23,800円(税抜)となっており、登録フォトグラファー指名料や出張料込みのため、追加料金などは発生しない仕組みとなっている。3つ目は「写真データを受け取れること」だ。60分の撮影で、枚数も原則75枚以上が保証されている点も安心だ。

収益モデルはごくシンプルで、同社は既述の撮影料の一部(現状は35%に設定)をコミッションという形で受け取るものとなっている。fotowa事業の売上高にはこのコミッション分が計上されている(いわゆるネット収入の計上ということ)。したがって利益率が非常に高くなる潜在力がある。

撮影する写真のタイプとしては、近年は、新生児のための“ニューボーンフォト(新生児の誕生時期の写真)”が第2の柱として成長してきた。新生児の誕生は1年を通じて安定していることから、『fotowa』の最大需要である七五三(10月~11月に該当)以外にも需要が見込める点も強みとなる。また、ニューボーンフォトを経験した顧客層は、その後のお宮参りや誕生日などでリピーターとなる傾向が明確に出ているもようで、この点でもポテンシャルの高い需要分野として期待される。

なお、2020年12月期第2四半期の撮影件数は、1,562件(前年同四半期比34.0%減)となった。これは、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言中に、出張撮影の自粛により撮影件数が減少したことによる。


Snapmart事業は、SNS時代にマッチしたスマートフォン経由での写真を対象としたマーケットプレイス。企業のリクエストに応えるオンデマンド撮影も展開
3. Snapmart事業の概要
『Snapmart』は『PIXTA』同様、デジタル素材のマーケットプレイスである。異なるのは、スマートフォン経由で投稿される写真を専門に取り扱っている点だ。『Snapmart』の写真素材は日常的なテイストのものが多く、企業の広告や日常をレポートするSNSなどではそうした点が好まれる。すなわち、SNSに投稿されるような写真が中心の『Snapmart』と、写真愛好家などハイアマチュア作家たちによる投稿が中心の『PIXTA』では、その世界観が大きく異なる。それぞれ2つのマーケットプレイスに明確な違いがあり、そこにすみわけができている。市場環境としては、インスタグラムの普及やSNS広告市場の拡大などを背景に追い風となっている。

『Snapmart』の収益モデルは1)マーケットプレイスと、2)オンデマンド撮影の2つがある。このうちマーケットプレイスは、基本的には『PIXTA』と同じモデルで、料金だけが異なる。単品と定額制の2タイプある点も『PIXTA』同様だ。

一方でオンデマンド撮影とは、写真の買い手側が能動的に働きかけて写真を購入するための仕組み全般を言う。潜在的には様々なパターンが考えられるが、現状は企業のSNSプロモーション支援を目的に、自社商品のサンプリングやクオリティの高いユーザー撮影による写真コンテンツの大量収集、ユーザー体験の拡散を同時に提供する「アンバサダープラン」と、トップインスタグラマーなど特定のクリエイターに撮影を依頼する「ブツ撮り出張サービス」の2つが中心となっている。特に「アンバサダープラン」は消費財大手企業(キリンビバレッジ(株)、ワールド<3612>など)やホテル、サービス業、観光施設など様々な業種で利用され、引き合いが増加している。

オンデマンド撮影では、通常の写真販売とは異なり、サイト使用料や仲介手数料という形での課金となるが、写真販売と比べて利益率が高いと弊社では推測している。2019年12月期の実績では、マーケットプレイス、オンデマンド撮影ともに売上高で約2倍の伸びを達成した。2020年12月期第2四半期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でオンデマンド撮影が低調に推移したものの、マーケットプレイスは前年同四半期比83.1%増と高成長を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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配信元: フィスコ

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