日銀「ETF買い」最新事情 買い入れ上限“12兆円倍増”インパクトの行き先 <株探トップ特集>

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最新投稿日時:2020/05/07 19:30 - 「日銀「ETF買い」最新事情 買い入れ上限“12兆円倍増”インパクトの行き先 <株探トップ特集>」(株探)

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日銀「ETF買い」最新事情 買い入れ上限“12兆円倍増”インパクトの行き先 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2020/05/07 19:30

―買い入れ方法「市中流通残高」変更の及ぼすもの―

 日本銀行による上場投資信託(ETF)に対する市場の関心が高まっている。日銀は3月にはETFの買い入れ上限額をそれまでの年間6兆円から12兆円に拡大した。この買い入れ額拡大で足もとでは1回あたり1200億円前後のETF買いが流入しており、相場の下支え役を果たしている。いまや日銀はETF買いを通じて日本株に対する国内最大の買い手だ。そんななか、日銀は先月末にETFの買い入れ方法をそれまでの「時価総額」から「市中流通残高」に変更することを発表した。この変更により、市場にはどんな影響が出るのだろうか。

●5月から市中流通残高に変更、市場実態に即した買い入れ姿勢に

 日本銀行は、4月30日付のリリース「ETFの買入れの運営について」において、ETFの買入れ方法の変更を公表した。この内容自体は、27日の会合で示された基本要領の変更に対応したものであり、ETFの銘柄別買い入れ限度はこれまでの時価総額ではなく市中流通残高を勘案することを明らかにしている。

 30日の発表では、買い入れ額の配分を市中流通残高に合わせてTOPIXを約75%、3指数(TOPIX、日経平均株価、JPX日経インデックス400)を約25%としている。市中流通残高とは、日銀保有分を除いた市中に流通するETFの残高であり、5月1日から変更している。なお、1日に日銀はETFを1205億円購入しているが、これは今回の変更により市中流通残高に比例して購入したとみられる。

 市中流通残高となることから、投資家が評価する市場実態に沿った買い入れ姿勢となりETF間での比率が変わるほか、個別の銘柄においても影響が出てくる可能性があるとみられる。

日経平均型に資金流入の可能性も

 市場参加者が関心を持つポイントは、TOPIX型が約75%分であること。ただし個々のTOPIX型ETFはこれまで時価総額の比率に応じて配分されていたものが、今後は市中流通残高に比例して配分される。約25%分はTOPIX型・日経225型・JPX日経400型ETFだが、こちらも銘柄ごとの市中流通残高に比例するように配分される。指数に連動するETFにおいて時価総額と流通残高に大きなカイ離があれば、資金流入に影響することになる。市場には、この市中流通残高への変更に伴い、これまでに比べ日経225型やJPX日経400型に資金が流入しやすくなるとの見方がある。

●ETF間での買い入れ比率の変更や個別銘柄へのインパクトを探る展開

 通常は日銀のETFの買い入れを受けた証券会社はその日の日銀に渡すETFを、あらかじめ在庫として持つ(ETFロング/先物ショート)か、現物をそれぞれのETFのポートフォリオで買い入れ、運用会社に持ち込んでETFに換えてもらう。一般的には日銀が買い入れ注文を入れることを見計らって事前にETFロング/先物ショートのポジションを持っており、オーダーが入ると証券会社はショートしている先物を買い戻し、引け後に日銀に後場の売買高加重平均(VWAP)でETFを差し出す。そのため、実際にはETF買い入れによって相場が上昇するのではなく、先物の買い戻しによるインパクトとなる。

 これまで、日銀ETF買いにより一部の浮動株の少ない銘柄や日銀の買い入れ金額の大きい銘柄で流動性が低下する点などが指摘されていた。市中流通残高となることから、ETF間での買い入れ比率が変わるほか、市中流通残高の更新タイミングを含め、しばらくは個別銘柄へのインパクトを探ることになりそうだ。

●すかいらーくやSRSHD、吉野家HDなどに注目も

 今後のインパクトを精査する必要があるが、日銀のETF買いによりファーストリテイリング <9983> など一部銘柄の浮動株が減少し、価格形成に歪みが出るといった指摘もあった。こうしたなか、これまでの日銀のETF買い入れによって日銀保有が大きいとみられているファーストリテイリングのほか、アドバンテスト <6857>TDK <6762>太陽誘電 <6976>東邦亜鉛 <5707>コムシスホールディングス <1721>日産化学 <4021>トレンドマイクロ <4704>ファミリーマート <8028> といった指数インパクトの大きい銘柄への影響が出てくる可能性がある。また、一方で物色の一つのアイデアとして浮動株比率が高い銘柄に着目した投資も一案と考えられる。

 以下には東証1部銘柄で、浮動株比率上位にある30社を載せておく。

すかいらーくホールディングス <3197>
SRSホールディングス <8163>
吉野家ホールディングス <9861>
コロワイド <7616>
東京テアトル <9633>
サガミホールディングス <9900>
マルシェ <7524>
神戸電鉄 <9046>
木曽路 <8160>
リンガーハット <8200>

シーボン <4926>
enish <3667>
モスフードサービス <8153>
柿安本店 <2294>
ANAホールディングス <9202>
田谷 <4679>
島根銀行 <7150>
ハウス オブ ローゼ <7506>
ロイヤルホールディングス <8179>
チタン工業 <4098>

日本カーボン <5302>
ペッパーフードサービス <3053>
日東製網 <3524>
常磐興産 <9675>
山陽電気鉄道 <9052>
タカショー <7590>
ユーグレナ <2931>
グルメ杵屋 <9850>
豊和工業 <6203>
盟和産業 <7284>

 また、今回の変更に伴って、同じ指数に連動するETF間での配分が変わることが予想される。そのため、純資産総額の大きいTOPIX連動型上場投資信託 <1306> [東証E]やダイワ上場投信-トピックス <1305> [東証E]、上場インデックスファンドTOPIX <1308> [東証E]、MAXIS トピックス上場投信 <1348> [東証E]、iシェアーズ・コア TOPIX ETF <1475> [東証E]などに加え、NZAM 上場投信 TOPIX <2524> [東証E]、SMDAM トピックス上場投信 <2557> [東証E]など純資産総額の小さいETFの動向にも注目しておきたい。

株探ニュース
配信元: 株探

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