米中貿易摩擦の行方も材料視
今週、日経平均は、材料を無視すれば、23000円から23600円の間で動くという見方ができる。前回上昇時のマドを埋める下値から、前回の短期的な高値の価格帯が、それに当たる。心理的な強気や需給だけで24000円台への挑戦をするには、まだ少し調整日数が足りないと考えられ、今週はまだ、23000円台後半の高値を想定しておきたい。
ただし、材料が出れば、やはり株価は大きく動く環境にある。悪材料が出れば23000円を割れ、好材料が出れば24000円を目指すことになるだろう。
材料の第一弾は、18日に予定されるファーウェイとの取引猶予期限だ。この期限が延長されれば、市場には追い風になる。そのほかは、米中貿易摩擦の行方が、引き続き材料視されるだろう。
ただし、気になるのは、9月の第2四半期業績が良くないことだ。国内企業業績予想が振るわない中で株価だけがNY市場につられて上昇する、という現象は、間違いなく割高感を醸成する動きだ。
また、欧州の景気悪化も重要な懸念材料になり得る。ドイツ銀行の株価が急落すると、またしても金融危機の再来が噂される、というリスクもある。企業業績が伴わない上昇には、そういったセンチメントの悪化に対する脆弱さがつきものだ。
上昇の主役は、ファーウェイ関連銘柄と、好決算にも関わらず材料出尽くしで下落した銘柄となるだろう。すでに小型株も動意づいており、テーマや銘柄の規模によって選別するよりも、業績に注目した銘柄選別を徹底すべきだろう。