今週の米ドル/円予想 FOMCに雇用統計(10/28週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円は108.50を中心に概ね横ばい。週初108.430円で寄り付いた米ドル/円は、米中通商協議や英国のEU離脱への警戒感が和らいだことでリスクオンムードとなる中、株式市場は底堅い展開で新興国通貨が買われて円安とドル安が拮抗し、108.50を挟んで、上下30銭程度のレンジ相場での推移となりました。
なお、今週の主要な経済指標は以下のとおりとなります。
今週は、FOMCや日銀金融政策決定会合、米10月雇用統計、米10月ISM製造業景況指数など、注目度の高い経済指標が目白押しです。
特に、FOMCについては、0.25%の利下げが予想されますが、利下げ確率は91.4%(CMEのFEDWATCH)となっており、既にマーケットには織り込み済みです。
一方で、前回のFOMCにおけるFEDメンバーの2019年末の金利見通しは、1.875%でしたので、今回1.50-1.75%に利下げをした場合は、12月のFOMCでの利下げはおこなわない可能性も高まります。
そのため、今回のFOMCにおいては、声明文やパウエルFRB議長の会見での、今後の追加利下げなどFEDの金融政策方針に注目しています。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(109.517)、26週MA(107.847)、13週MA(107.317)で、13週MA以外は下向き。26週MAを上にブレイク後は、これがサポートとして意識されます。
ストキャスティクスは、再度、%D(85%)がSlow%D(79%)を上回って推移していますが、今年に入ってからは黄色いラインで示した下降トレンドの中で推移しているため、前回もお伝えのとおりストキャスティクスが再度下降基調になったタイミングで売りを考えたいところです。
一方、チャートパターンとしては、白い破線をネックライン(112.4円から104.40までの61.8%戻しで、7月末の高値109.30とも重なる)としたヘッドアンドショルダーズボトムを形成しているとも考えられ、この水準を上回る場合は、売りは撤退し、買いに方針転換と見ています。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
200日MA(109.061)はほぼ横ばい。先週、先々週と価格は、200日MAに上値を抑えられる形となった一方で、一目の転換線(108.595)、基準線(107.715)、雲(上限:107.171、下限:106.885)の上側にあり、遅行スパンも日々線に下支えされています。
ただし、ストキャスティクスは%D(87%)、Slow%D(86%)と80%越えと過熱感が出ており、これらが80%を下回る場合には、基準線を目標価格として売りを考えたいところです。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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