今週の米ドル/円予想 重要指標目白押し 上値の重い展開か?(9/30週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円は小反発。週初107.710円で寄り付いた日経225は、欧州のPMIが弱かったことを受けてリスクオフで推移した後、24日にペロシ米下院議長がトランプ大統領の弾劾手続き開始を発表するとの思惑から107円を割り込み一時106.950まで下落。翌日は一転しトランプ大領領弾劾リスクの後退と米中協議への期待感からドルが買われ、週末にかけては中国から米中協議に関しポジティブな発言や中東の地政学リスク後退で108円台を回復。108.190まで上昇するも、NY時間に米政権が米投資家の中国への投資制限を検討との報道を受け、108円を割り込み107.960で引けました。
日本においては先週日米の通商協議を無難に通過。今週は消費増10%とキャッシュレス決済によるポイント還元による国内消費動向が目下気になるところです。
米国においては、中国の米農産物購入といったニュースが先週ありましたが、一方で、ファーウェイなどへの制裁に加え、先週末報じられた、中国への投資制限など米中通商協議については未だ不透明感が漂っており、トランプ大統領への弾劾手続き開始による、市場の反応にも注意が必要です。
また、今週の主な経済指標は以下のとおりで、特に、10月1日のISM製造業景気指数、3日のISM非製造業景気指数、週末4日の雇用統計など重要な指標が目白押しとなっています。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(109.838)、26週MA(108.369)、13週MA(107.152)で、52週MAと26週MAが下向き、価格は13週MAにサポートされています。したがって、週足チャートでは、中長期は売り、短期は買いと読み取れます。また、ストキャスティクスは%Dが69%、Slow%Dが60%と%DをSlow%Dがサポートする形となっていますが、その差が縮小しています。そのため、短期的な売買戦略は様子見。ただし、%DがSlow%Dを割り込み、価格が13週MAを割り込むようであれば、短期的な売買戦略も売りと考えています。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
200日MA(109.176)が下向き。価格は一目の雲(上限106.885、下限106.259)の上側に位置しているものの陰転しており、遅行スパンが雲に上値を抑えられているため、上値の重い印象があります。一方で、価格は基準線(106.465)や転換線(107.720)の上側にあるため、転換線や一目の雲が目先のサポートとして意識されます。
なお、ストキャスティクスが80%を下回って下降しているものの、50%を上回る水準(%D64%、Slow%D60%)となっており、相場のモメンタムは強弱どちらとも取れます。
そのため、目先のドル円相場は、上値も下値も限られるトレンドレス相場を想定します。
なお、チャート上、黄色で示した上昇トレンドラインを下回って推移していることから、9月半ばの108.50を上回らない限り、中長期的なスタンスは売りと見ています。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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