基本はやはり「売り目線」
■先週のドル円は、米国経済指標が好調であったことを背景に過度な利下げ期待が後退し、108円台に上昇しました。
しかし、パウエル議長が世界経済に対する減速懸念や貿易問題に対する不確実性を理由に予防的利下げをコメントしたことで再度、利下げ観測が台頭しました。
一時、107.21円まで下落する場面がありました。
■さて、ここ最近は米国の「利下げ」がキーワードになっています。
トランプ大統領は日増しに利下げやドル高に対する不満を口にするようになり、市場としてはやや混乱し始めてるのは確かです。
先日の「欧州と中国は為替操作をしている。我々も同じことをするべき」と警告したことも、相場の重しになっています。
これまでのトランプ大統領の発言はすべてにおいて実行に移していることもあり、このまま今後ドル高があるならば、一部市場参加者からは「ドル売り介入」の可能性もあるのではとの声も聞こえてきています。
■FRBは緩和策を行い、トランプ大統領はドル安狙いという作戦の中では、ドル円相場は中期的な円安を考えるのは少々、無理があるのではないかと思います。
■更に言うならば、世界的には緩和政策に移行しています。
米国も足並みを揃えるとなれば、金利水準が高いだけに緩和余地が十分にあります。
しかし、日本やユーロ圏に関してはご存じの通りゼロ金利の水準というだけに、緩和余地が狭いのは事実です。
その意味では米国の利下げインパクトは大きいといえます。その点からしても米ドル安になる可能性は高いのではないかとみています。
■また、参院選後の日米通商協議が再開されるわけですが、米国側としても日本に対する為替レートの話題にも触れてくる可能性もあるのでヘッドラインには要警戒です。
自動車と農産物だけで終わるはずもなく、安易な円安をトランプ大統領が容認するとも思えません。いずれにしても円高ドル安材料がこれから目白押しです。
■今週はFRBがブラックアウト期間入りするため要人発言もないため、米国の経済指標、特に25日の耐久財受注、26日の4-6月期米GDPに注目したいです。
■最後にドル円のテクニカル面です。
日足チャートも一見、レンジ相場にも見えますが、先週末の上ヒゲ陰線は今のドル円を象徴しているようにみえます。
というのもこの状況からすると、110円がかなり遠ざかっているようにみえます。
むしろ、106円を予想したほうが現実味あります。
となると基本はやはり「売り目線」でのエントリーとなります。
一応、戻りもあるので移動平均50日線(19日終値:108.56円)を意識しておきたいです。
下値は先週木曜日の安値107.21円、6月25日の安値106.78円を下回ってからの逆指値でのエントリーを考えています。