金ETFが激増、金市場に資金流入が続く。
WGCによると、6月末の世界全体の金ETF残高は、2548トンと前月比+126.7トン(+15%増)と急増、過去7年間で単月としては、最大の増加となっています。世界最大の金ETF、SPDRGold Shares金ETF残高は7/19現在820.49トンと5月末から+77トンも増加しています。世界的な利下げ観測の高まり、金融緩和政策の期待を受けて金に投資マネーが流入。また、このところの中東地域の地政学リスクの高まりで安全資産としても見直されています。
◆テクニカル分析
NY金価格の推移はここ5年間は概ね1050-1370ドル程度の大きなレンジでした。2017年高値1356ドル、2018年高値が1365ドルとこの辺が抵抗でしたが、今年の6月後半にぶち破り、今月に入って1400ドル台へ6年ぶりの水準まで駆け上がっています。大きなレンジブレイクの年となりそうです。
◆中央銀行の金買い意欲
2010年代に入ってから世界全体の中央銀行がネット買い越しに転じています。2019年3月末現在のロシア中銀の金保有高が2168.3トンと12月末比+55トン、中国人民銀行の金保有高が1885.5トンと12月末比+33トンと保有高を増やしてきている。特にロシアはここ5年、2014年1208トン→2019年2168トンと約1000トンも増加。買い意欲が半端じゃない。ちなみに世界で一番金を保有している中銀は米国である。ずっと横ばいだが、約8100トンも保有している。原油が上がればトランプ大統領の口先介入が入るが、金が上がって一番、ウハウハ儲かるのは米国FRBで、負けじと敵対国のロシア中銀、中国人民銀行などがこのところ金保有を増やしてるわけである。
◆中銀の金融政策
このところの中銀の政策金利発表は、直近のRBAも南アも利下げ、7/25はトルコ中銀、月末にはFOMCを控えて利下げ期待、金融緩和政策の期待感や、トランプの利下げ圧力が高まるものと思われます。金利を生まない金にとって大きな追い風となりそうです。
よって、TOCOMの金価格に連動する金ブルやETF、金鉱山株などは、買われそうです。