■財務状況とリスク要因
1. 財務状況
スリー・ディー・マトリックス<7777>の2019年4月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比956百万円増加の4,092百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が640百万円増加したほか、たな卸資産が264百万円増加した。たな卸資産の水準については2017年4月期の814百万円から2019年4月期は1,792百万円と2倍以上に膨らんでいるが、増加分の大半は原材料であるペプチドの購入によるものとなっている。本格量産に向けた安定供給体制を整えるため、一定規模の水準を備蓄しておく方針で積み上げてきたものだが、今後2年分の原材料手当ては完了したことから、2020年4月期は原材料を調達する予定がなく、たな卸資産の水準も売上拡大に伴う製品在庫の増加を除けば頭打ちとなる見通しだ。
負債合計は前期末比1,645百万円増加の2,579百万円となった。原材料の調達に伴い未払金が228百万円増加したほか、短期借入金が100百万円増加した。また、2019年4月に転換社債型新株予約権付社債(無利子)の発行により1,299百万円を調達したことが増加要因となった。純資産は前期末比688百万円減少の1,513百万円となった。新株発行により資本金及び資本剰余金が合わせて1,710百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失2,554百万円を計上したことが減少要因となった。
2. 財務リスクと資金調達状況について
期末の現金及び預金の残高は1,802百万円あるものの、2020年4月期の業績計画では営業損失(1,866~1,316百万円の損失)を見込むなど、業績面では引き続き損失計上が続くこと、現在の資金調達計画(新株予約権の行使による調達)において当初想定通りの資金を確保できないリスクがあること等も勘案して、同社は2019年4月期の有価証券報告書において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況にあることを付記することを決議している。
現在の資金調達計画では、2019年4月に転換社債型新株予約権付社債と同時に、第三者割当※による第20回及び第21回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を行い、その行使によって資金の確保を行っている。6月末までの行使状況を見ると、第20回新株予約権において約48%が行使済みとなっており、5月から7月9日現在にかけて新たに496百万円を調達している。残りの潜在行使株数は第21回新株予約権も含めると約150万株となっており、行使価額500円で試算すると750百万円を調達できることになる。前期末の現金及び預金から2020年4月期の営業損失(1,866百万円)と新株予約権行使に伴う資金調達想定額を合算すると、2020年4月期末における現金及び預金の水準は1,180百万円となる。今後、株価の下落によって想定していた資金調達額を確保できないリスクも想定し、同社では新たな資金調達手段の検討も進めていくとしている。
※割当先のCVI Investments,Inc.は世界最大級の金融コングロマリットであるSusquehanna International Groupに属するHeights Capital Management,Inc.が運用するファンドとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MH>
1. 財務状況
スリー・ディー・マトリックス<7777>の2019年4月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比956百万円増加の4,092百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が640百万円増加したほか、たな卸資産が264百万円増加した。たな卸資産の水準については2017年4月期の814百万円から2019年4月期は1,792百万円と2倍以上に膨らんでいるが、増加分の大半は原材料であるペプチドの購入によるものとなっている。本格量産に向けた安定供給体制を整えるため、一定規模の水準を備蓄しておく方針で積み上げてきたものだが、今後2年分の原材料手当ては完了したことから、2020年4月期は原材料を調達する予定がなく、たな卸資産の水準も売上拡大に伴う製品在庫の増加を除けば頭打ちとなる見通しだ。
負債合計は前期末比1,645百万円増加の2,579百万円となった。原材料の調達に伴い未払金が228百万円増加したほか、短期借入金が100百万円増加した。また、2019年4月に転換社債型新株予約権付社債(無利子)の発行により1,299百万円を調達したことが増加要因となった。純資産は前期末比688百万円減少の1,513百万円となった。新株発行により資本金及び資本剰余金が合わせて1,710百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失2,554百万円を計上したことが減少要因となった。
2. 財務リスクと資金調達状況について
期末の現金及び預金の残高は1,802百万円あるものの、2020年4月期の業績計画では営業損失(1,866~1,316百万円の損失)を見込むなど、業績面では引き続き損失計上が続くこと、現在の資金調達計画(新株予約権の行使による調達)において当初想定通りの資金を確保できないリスクがあること等も勘案して、同社は2019年4月期の有価証券報告書において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況にあることを付記することを決議している。
現在の資金調達計画では、2019年4月に転換社債型新株予約権付社債と同時に、第三者割当※による第20回及び第21回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を行い、その行使によって資金の確保を行っている。6月末までの行使状況を見ると、第20回新株予約権において約48%が行使済みとなっており、5月から7月9日現在にかけて新たに496百万円を調達している。残りの潜在行使株数は第21回新株予約権も含めると約150万株となっており、行使価額500円で試算すると750百万円を調達できることになる。前期末の現金及び預金から2020年4月期の営業損失(1,866百万円)と新株予約権行使に伴う資金調達想定額を合算すると、2020年4月期末における現金及び預金の水準は1,180百万円となる。今後、株価の下落によって想定していた資金調達額を確保できないリスクも想定し、同社では新たな資金調達手段の検討も進めていくとしている。
※割当先のCVI Investments,Inc.は世界最大級の金融コングロマリットであるSusquehanna International Groupに属するHeights Capital Management,Inc.が運用するファンドとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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