先週火曜の下ヒゲと翌日の陽線で短期底入れ感が強い
■週末は世界が最も注目する米中首脳会談が行われ、
結果的には第四弾の追加関税を回避し、通商交渉の継続で幕切れとなりました。
このことで一旦、安心感から過度なリスク回避は抑制され戻り相場が優勢の展開と予想したいところです。
しかし、この結果は問題の先送りでしかなく、根本的な解決は見つかっていません・・・
お互いの妥協点に歩み寄ることがどれだけ難しいのか?
正直これまで閣僚級会議を何度繰り返ししても結果は同じ、むしろこれ以上に関してはお互いの政治的な包囲網に飛び込むことになり、無意味にも感じます。
その背景にはやはり「覇権」という大きなテーマがそこにはあり、お互いが譲り合えないのも事実です。
■これまでトランプ大統領は、保護主義「米国ファースト」を掲げ、この三年間は言い続けてきました。
不合理な貿易は徹底的に排除し、米国の利益と将来に向けた政策が保護主義と唱えてきました。
世界的に見ればトランプ大統領一人に振り回される格好になっていることも事実であり、特にファーウェイ問題ではつい先日まで禁輸措置と思えば、昨日は禁輸解除というありさまで、世界もほとほとあきれる始末です。
■マーケットにしてみれば、スタンスが取りづらいのも事実です。
結果的にトレンドが作れずボラも少なく、為替市場から債券市場にトレーダーはシフトするしかなく、結果的には今後の視点は「FRBの予防的利下げ」をテーマにして、トレードを行うしかないのも事実です。
となれば、今月末のFRBが利下げを0.25%にするのか。それとも0.5%にするのかが焦点となりそうです。
■いずれにしてもトランプ大統領の動向だけみれば、いかに来年の選挙モードに移行したかがよくわかります。
今回の第四弾回避とファーウェイを見れば明らかです。しかし、ファーウェイ問題に関して言えば、米国内の与野党からの反発も必至です。故に今後のファーウェイに関しても報道にも警戒したいです。
■そんな不透明な問題を抱えながら、今週は以下の二点に注目したいです。
・ISM製造業景況指数…7月1日(月)
・米雇用統計…7月5日(金)
■週初めのISMに関しては好不況の分岐点である50に接近しています。
ちなみに5月52.1となっており、今回の予想は51.2となっておりギリギリの水準になっています。もし、ネガティブサプライズになるようであれば、利下げ催促となり、ドル売り優勢の展開になる可能性があると考えています。
■次に月一イベントである米雇用統計になります。
ネガティブサプライズとなった先月の非農業部門雇用者数ですが、今月も注目になります。
特に賃金上昇率は注目です。
先月は3.1%と結果的に良かったものの、物価上昇率が2%を下回り続けていることも気がかりです。
前回のFOMCでも景気拡大を維持するための適切な措置が正当化される格好となるので、いずれにしてもネガティブサプライズには警戒したいです。
■最後にドル円のテクニカル面と戦略です。
日足ベースでは先週火曜の下ヒゲと翌日の陽線で短期底入れ感が強いです。
しかし、トレンドとしては下継続です。なので108ミドルで戻り待ちをしたいところです。