イラン情勢も重要な材料に発展する可能性も
しかし、注目されていたインフレ指標である米消費者物価指数が予想以下の結果だったことを受けて、108円前半まで売り込まれる場面もありました。
結果的には、週末の小売売上高や鉱工業生産が予想を上回ったことで、4-6月期GDPの悲観論が後退したことを受けて、108円ミドルまで上昇しています。
■今週は以下の点に注目しています。
・18-19日のFOMC後のパウエル議長の発言
・19-20日の日銀金融政策決定会合後の黒田総裁の発言
・緊張が高まるイラン情勢の行方
まず、先日のパウエル議長講演でのハト派と見られる発言から、昨今の米中貿易戦争を踏まえ「利下げ」を考慮した相場展開になっています。
既にFF金利先物市場では3回分の利下げを織り込んだ状況になっています。
米景気指標にもバラツキがみられ判断するのが困難な状況になっているのも現実です。
少なくても年内の利下げはほぼ確実と見られる中、ポイントとなるのはやはり7月からの利下げを検討しているのかどうかが焦点になりそうです。
■次に、翌日の日銀金融政策決定会合後の黒田総裁のコメントです。
こちらにおいても米中貿易戦争や今後の日米通商交渉、先日の福岡でのG20財務相会議でも、世界的なレベルでリセッションが懸念されていることを踏まえ、日本も追加緩和策を出すのではないかとの見方も出ています。
故に、日本サイドが追加緩和となれば円売り圧力が強まることになるので、黒田総裁のコメントにも注目したいです。
■上記二つのポイントとしていえるのが、日米をはじめ各国がリセッションに備えて、緩和策をだし結果として「通貨安競争」が始まるのではないかとみています。
そうなると緩和策をとりやすいのが米国であり、米ドルの売り圧力は必然的に強まるのではないかとみています。
■最後は、報道等でも出ているイラン情勢です。
こちらにおいても既に今回の攻撃は米国サイドもイランと断定しているだけに更に緊張感が高まるばかりです。
先日の安倍総理の訪問も水の泡どころか、日本の地政学リスクとしても意識し、警戒しなくてはいけなくなりました。既にそれを横目に金市場が高等を続けていることも注意しておきたいところです。
■最後にドル円のテクニカルです。
今後待ち受けている大阪サミットでの米中交渉や地政学リスクの行方をみるとスタンスがとりづらい感じです。
むしろ、107円から109円のレンジといったところが今週の相場になるのではないかとみています。となると回転を効かせたカウンターでトレードが優勢です。