日本円の売り越しポジションは未だに5万5千枚強
以下、トレードタイムの記事になります。
■先週は、米中貿易戦争が長期化するとの見通しや中国の報復関税、そして週末においてはメキシコに対して追加関税見通しを発表したことで相場の地合いは更に悪化し、これまで抵抗としてきた109円をあっさり下抜けし、108円前半に突入しました。
■さて、今週は引き続き貿易問題を背景に雇用統計や重要とされる経済指標、そして米国債金利の行方に注目したいです。
■まずは、中国の報復関税を6月1日に仕掛けました。
またレアアースや大量に保有する米国債に関するコメントには要警戒です。
■少なくても中国サイドは今回の貿易問題に関して「景気に影響するところは全く無い」とのコメントも出ているくらいの自信なのかパフォーマンスなのかは全くわからないところはあるものの、正直ここまでの展開になれば簡単には米中通商問題が解決するとは思えません。
来月の大阪でのG20で解決する可能性はゼロに近そうです。
その意味では「リスク回避」が相場の根底にあるので、この先の相場展開においても下目線でいきたいと考えています。
■そんな中、今週は月一イベントである雇用統計が発表されます。
約半世紀ぶりになった雇用状況が継続できるのか・・・
また微増であるものの平均賃金にも注目したいです。
この雇用状況が継続する限り、世界各国に対して強気の通商交渉を仕掛けてくるのは明白です。
その意味でも今週の英国への訪問に注目したいです。また、ISM製造業景況指数も発表されるのでこちらも注目です。
そして、先日から注目されていた米国債の長短金利の逆転現象「逆イールド現象」が鮮明に出始めてきました。長期金利が急降下し始め、既にこの先のリセッションを先取りし始めました。また景気に敏感なWTI原油先物市場においても先週一週間で11%強下落しており、こちらの動きにも注目したいです。
■また、通貨先物市場における日本円の売り越しポジションです。こちらも未だに5万5千枚強と大幅に売りこしているので、今後これが相場の重しになることは確実です。安易な押し目買いだけは気をつけたいです。
■最後にドル円のテクニカル面です。
日足チャートを見れば先週木曜日の「上ヒゲ」、週末の「大陰線」がこの先の状況を物語っています。
水平線で見れば107円ミドルから107.80円あたりが一つのターゲットになるのではないかとみています。
いずれにしてもこれだけの急落となれば国内の株式市場も売り優勢になることは明白です。
また大台の2万円も割り込む可能性もあり、アジア市場でも積極的に売り込まれる可能性がありそうです。