物色対象で着目する3点
ただし、物色対象は、二通りに絞られそうだ。一つは、内需好業績銘柄。ここのところ、市場では米ドルの上昇に歯止めがかかりつつある。この動きが、資金を内需関連に向かわせている可能性がある。米中通商問題の長期化は、今のところ、株式市場よりも米ドルへの売りとなって表れているようだ。この問題によって米国景気がさらに減速する危険性を、ディーラーたちは敏感に感じている。
もう一つは、株主総会前に自社株買いを発表しそうな銘柄だ。後者を探すのは非常に難しいが、以下の点に着目してみるべきだろう。
①業績がそれほど良くない
②外国人投資家が主要株主にいる
③キャッシュリッチな企業
こういった銘柄は、他の投資家も似たような選別をすることから、株価は期待値だけで上昇するかもしれない。しかし、他の材料にも注目しなければならない。例えば、京セラは、自社株買いを方針の一つとしているので、近いうちの発表する可能性があると言われている。しかし、ファーウェイ問題の渦中にあることを考えると、賭けになってしまう。
今期は大型の自社株買がたびたび発表されている。DeNAやソニー、ファナックやSOMPOホールディングスなどが、これまでにない大型自社株買いを発表している。私は個人的には、成長投資を十分に検討せずに行う自社株買いは、日本のGDPが回復しない主因の一つと考えており、経済全体のことを考えれば、こういった動きにはあまり賛成はできないと考えている。
とはいえ、ファーウェイ関連など、たの材料に注意しながら、そういった銘柄があれば、狙ってみる価値はあるだろう。