今週の米ドル/円予想 今度は日米通商協議?トランプ大統領来日(5/20週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円は反発。週初109.81で寄り付いた米ドル/円は、米国の対中制裁関税の引き上げを受けた株安などによりマーケットがリスクオフとなり109.015まで下落したものの、その後は、米中貿易摩擦激化懸念による人民元売りや、豪州選挙を控えたオセアニア通貨売り、イギリスのメイ首相の進退にかかる報道による英ポンド売りに対し米ドルが買われたことで米ドル/円も底堅く推移し、週末には110.20まで上昇。110.015で引けました。
なお今週の主要経済指標は図のとおりです。先週までで企業決算も山場を過ぎ、大きな経済指標もありませんが、引き続き米国を中心とした通商交渉、さらに、緊張が高まる中東情勢、23日から26日に行われる欧州議会選挙とイギリスのEU離脱動向に注目です。
また、トランプ大統領が25日から28日にかけて来日します。それに伴い24日にはライトハイザー通商代表も日本入りする予定となっており、来週にかけて日米の通商協議にも注目が集まります。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先々週に3つの移動平均線を下回り、一時109.015まで下落した米ドル/円ですが、週末にかけて持ち直し、110円台を回復しています。
しかしながら、依然として各移動平均線の下側にあり、ストキャスティクスも低い水準で下向きとなっていることから、中期的なスタンスでは、引き続きレジスタンスとして意識される111円前後をバックに戻り売りを考えたいところです。
なお、各移動平均線は、それぞれ26MA(110.932)、13MA(111.102)、52MA(111.219)となっています。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
先週の米ドル/円は109.015をつけてからストキャスティクスが緩やかに上昇し始め、110円台を回復する展開となっています。
一目均衡表は、日々線(ローソク足)が転換線を上回ったものの、基準線が下向きで日々線は一目の雲と基準線の下側に位置しています。
また、価格は横ばいの200日移動平均線の下側に位置しています。ストキャスティクスが上昇基調となっていることから、目先はやや底堅い値動きが想定されるものの、上値も重く、雲の下限や基準線をバックに戻り売りを考えたいところです。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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