目先の下落が買い場となる可能性
海外株式市場は、GW終盤に、トランプ大統領の発言で大きく揺れている。彼の「関税25%発言」によって、これまでの株式市場の上昇の大前提となっていた米中通商摩擦の軟着陸に、懸念が生じたのだ。また、中国側が、8日に予定されている米中交渉を見送るつもりである旨の報道もあった。
こういった状況を受け、NYダウ平均先物は一時500ポイント超の下落を演じ、日経平均株価先物も、一時、22000円を割り込んだ。
しかし、冷静に考えれば、混乱は短期的に収束する可能性が高い。8日の交渉が延期になり、一定の米中の論戦があったとしても、それによる株価の下落はそれほど続かないだろう。現段階では、まだ株式市場の上昇圧力は強い。投資家は、「上昇の背景が、景気低迷、または米中摩擦長期化による利下げなのか、景気回復による企業業績の向上なのか」という悩みの中にいるだけで、いずれにしても市場が中期的な上昇局面の中にある、という認識には変わりはない。
アップルの決して良い決算とは言えない開示情報を前向きにとらえた市場のセンチメントや、バフェット氏が初めてアマゾン株に手を出した、という報道を見ると、まだ投資家の中では、株式市場に楽観的な見方をしているのが多数派だ。
■2月~3月のIPO銘柄をチェック
東京市場でも、出遅れ感を取り戻す動きがまだ続くだろう。ここ1週間の間に調整があるとすれば、その間に、一定の仕込みをすることが、1か月後には吉と出る可能性が高いと考える。とはいえ、この1週間の見通しは難しい。
東京市場では、小型株に注目をしておくべきだろう。特に2月~3月のIPO銘柄で、一定の需給調整が終わった銘柄には、再び資金が回る可能性がある。内需関係の銘柄で成長力がある、ニッチなビジネスを展開する銘柄にはチャンスがあるだろう。4月には5銘柄が新規上場を実現したが、5月の予定は末日に1社があるのみだ。小型株を中心に物色する個人投資家が、上昇したIPO銘柄を売り、調整中の銘柄に乗り換える動きが出る可能性がある。特に、TOPIXなどの代表的指標が苦戦する中では、そういった動きが鮮明になるかもしれない。