今週の注意項目とは?
■先週は日本では大型連休で市場参加者が少ない中、ドル円相場もレンジの相場といった展開になり111円の前半で取引が終了しました。
■さて、今週は日本の10連休明けで久々に市場参加者が戻り、相場取引らしい展開を期待するところです。
また、日本の株式市場では元号改元という言葉から「ご祝儀相場」を期待する向きもあり、株高からドル円相場も底堅い動きと予想したいところですが、以下のポイントに気をつけたいと思います。
・IMM日本円の売り越しが10万枚目前に
先々週から注目をしてきたシカゴ通貨先物市場の日本円の売り越しがいよいよ10万枚に接近する展開となりました。
先週末現在で5,185枚増の9万9,599枚と増加しています。日本円における売られすぎの目安が「10万枚」といわれているだけに、警戒が必要な水準となってきました。
それ故に、何かの材料をきっかけに一気に手仕舞いが入りやすい環境であることは確認しておきたいところです。
・ブレだしている米経済指標と高値警戒感がでだしている米株式市場
先週末の米雇用統計は、日農業者部門雇用者数で市場予想を上回ったことで、過度な利下げに対する悲観論が低下し、株式市場では好調をキープしています。しかし、同時に気がかりだったのが「平均賃金」です。こちらにおいては予想を下回ったことでやや今後において様子見という展開でした。また、ISM非製造業景況指数も同時に発表され、こちらも予想に届かずの不発に終わっています。
株式市場では先取りした相場展開になっていますが、経済指標においてはやや陰りが出始めています。今後もブレだしている米経済指標には警戒が必要だとみています。今週の注目は週末の消費者物価指数になります。
・静けさのドル円とセルインメイとの戦い
主題のとおり、ドル円においてボラが低いことは言うまでも無く、振り返れば100pips以上動いたのが3月2回、4月ゼロ回ということで、トレードするには全く魅力の無い通貨ペアになってしまいました。
しかし、そんなドル円も昨年12月から今年はじめのフラッシュクラッシュで下落した幅を時間軸でみると今月の中旬から下旬くらいに大きな変動をみせるのではないかとみています。
また、5月においては「セルインメイ(Sell in May)」が相場格言としても意識されだしてきているので警戒が必要です。特に史上最高値となっている株価指数があるだけに、余計に注目となりそうです。
■最後にドル円のテクニカル面です。
日足チャートとしては、やや切り下げだしてきているのが気がかりなところです。200日移動平均線も回復できず、買い方としては、110円前半までの押し目買いを想定していそうなので、今週は110円まで売っていく戦略を考えています。逆指値(売り)を出すのであれば、4月10日の安値110.84円とみています。