今週の米ドル/円予想 112.15を抜けきれない(4/15週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円は小幅続伸。111.710で寄り付いた米ドル/円は、英国のEU離脱延期や米国のEUへの関税、更にIMFの2019年の経済見通しが下方修正されたことなどを受けて軟調に推移し、一時110.830まで下落。その後は英国のEU離脱期限の延長や中国の3月貿易統計が予想より強かったことなどを受けてリスクオンムードに転換し、週末の引けにかけて112円台まで上昇。111.995で引けました。
今週の主要経済指標は図のとおりで、経済指標においては、米国のGDPの約7割を占める個人消費の動向を探るうえで重要な指標とされている米3月小売売上高に注目しています。また、15-16日に開催される日米通商協議や、15日が提出期限となる米財務省の為替報告書では、米国による円安けん制や円高圧力的な内容となる可能性もあり注意が必要です。
更に為替の相場環境としては、日本においてはGW、海外はイースターの連休を控え実需筋や投機筋のポジション動向にも注目です。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
価格は各移動平均線を上回っており、それぞれの移動平均線は、13週移動平均線が上向き、26週移動平均線がほぼ横ばい、52週移動平均線が上向きで、上から順に26週、52週、13週となっています。
相場は先々週、26週移動平均線を上回り、先週は112.110まで上昇いたしましたが、先週お伝えしたチャートポイントである3月初めの112.150を上回ることができませんでした。
なお、今年の2月以降は横ばいトレンドと見ております。
当面のサポートとしては、111.276に位置する26週移動平均線や111.175に位置する52週移動平均線、レジスタンスは3月初めの高値112.150と考えており、中長期的には様子見、特に今週初めはイベントがらみで短期的な戻り売り、終値ベースで112.15を上回るようであれば、途転買いといった戦略を考えています。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
先週米ドル/円は112.10まで上昇いたしましたが、以前からお伝えのとおり、2月半ば以降は概ね110円から112円のレンジ相場となっており、中長期的な観点では様子見、短期的には戻り売りを考えています。
なお、売りの場合でも目先のサポートは200日移動平均線や転換線の位置する111.50前後、これを下回るようであれば一目の雲の上限となる111円前後を考えています。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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