ビジョン Research Memo(3):グローバルWiFi事業と情報通信サービス事業が2本柱

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最新投稿日時:2019/04/11 15:03 - 「ビジョン Research Memo(3):グローバルWiFi事業と情報通信サービス事業が2本柱」(フィスコ)

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ビジョン Research Memo(3):グローバルWiFi事業と情報通信サービス事業が2本柱

配信元:フィスコ
投稿:2019/04/11 15:03
■会社概要

3. 事業内容
ビジョン<9416>の事業は、国内外でWi-Fiルーターのレンタルサービスを行うグローバルWiFi事業と、各種通信サービスの加入取次ぎや移動体通信機器・OA機器の販売、ホームページ制作等のサービス提供を行う情報通信サービス事業の2つが主力となっており、その他に「ProDrivers」(ハイヤータイムシェアリングサービス事業)や、広告メディア事業、カタログ販売事業及び新規事業の探索・育成などを行っている。2014年12月期以降の5期間のセグメント別売上推移を見ると主要2事業ともに右肩上がりの成長が続いており、なかでもグローバルWiFi事業については2014年12月期の3,755百万円から2018年12月期は13,505百万円と3.6倍に急成長している。

(1) グローバルWiFi事業
グローバルWiFi事業は、業界最多クラスとなる世界200ヶ国以上の国と地域をサービスエリアとし、世界各国の通信キャリア(通信事業者)と直接連携することでローカルネットワーク(データ通信サービス)を仕入れ、各地域に出張や旅行などで渡航する個人及び法人向けにモバイルWi-Fiルーター等をレンタルすることによって収益を得るサービスとなる。

Webサイトやスマートフォン用アプリ、アフィリエイト、法人セールス、パートナー企業(各代理店)等を介してレンタルの申込受付を行っているほか、空港にも直接Wi-Fiルーターを受取返却できるカウンターを設置しており、その数は国内15ヶ所(2018年12月現在)で業界最多となっている。2018年12月期の顧客属性(件数ベース)を見ると個人向けが62.6%、法人向けが37.4%となっており、個人向けの比率が上昇傾向にある。法人向けも年率2ケタ増ペースが続いているが、それを上回るペースで個人の利用件数が伸びているためだ。また、リピートと新規の比率を見るとリピートが54.4%、新規が45.6%となっており、リピート率が安定して過半を占めていることが特徴となっている。

1日当たりのWi-Fiルーターのレンタル料金は、各国の通信事業者から仕入れる回線使用料によって変わるほか、通信データの使用可能容量や通信スピード(3G/4G LTE)によってサービスプランが異なっており、おおむね670円~1,970円の範囲で設定されている。また、オプションサービスとして安心補償パック(200~500円/日)のほか、モバイルバッテリー(200円/日)やマルチ変換プラグ(50円/日)等の周辺機器のレンタルサービスも行っている。1回当たりの顧客平均単価は7千円前後となっている。サポート体制は24時間365日、世界47の拠点で対応している(国内では佐賀県にコールセンターを設置)。また、海外では欧米、アジア等11ヶ国で子会社12社を展開し、現地でレンタルサービスを行っている。サービス提供エリアの違いにより海外事業と国内事業に区分しているが、ビジネスモデルは同一である。

同事業の収益構造を見ると、Wi-Fiルーターのレンタル利用料やオプションサービス料が売上高となり、売上原価として各国の通信キャリアから仕入れる通信回線の利用料や、Wi-Fiルーターの仕入コスト(レンタル資産として計上、2年償却)、外注費(代理店等への支払料等)など、販管費として人件費や広告宣伝費のほか、Wi-Fiルーターの出荷センターや空港カウンター、カスタマーセンター等の運営コストなどが含まれる。

a) 海外事業
日本から海外、及び海外から海外への渡航者へ海外の各通信キャリア等から仕入れた回線をセットしたモバイルWi-Fiルーター(グローバルWiFi)をレンタルしている。サービスの内容は、世界200以上の国と地域で使えるパケット定額制となり、日本と同じ高速通信規格4G-LTEに対応している国と地域の数も87エリア(2018年12月現在)と業界最多クラス、1日当たり500MBまたは1GBという大容量を利用できるプランの提供国も同様に業界最多となっている。

日本人海外渡航者の場合、ルーターの受取返却場所は国内の主要空港15ヶ所(うち、1ヶ所は返却のみ)となっている。ハワイ、韓国、台湾等では現地でも受取返却できるカウンターを設けているほか、空港で受け取れない場合には宅配での受取返却も可能となっている。また、空港カウンターでの受け渡しの待ち時間を解消するサービスとして、2016年から一部の空港で「スマートピックアップ」を導入している。これは、事前にWeb予約申込を行うことで、空港内に設置された専用の無人ロッカーからWi-Fiルーターを利用者自身で取り出すことができるサービス(スマートフォンで認証)で、業界では同社が先駆けて導入した※。「スマートピックアップ」を設置し待ち時間の問題を解消することで、顧客満足度の向上とリピート率の上昇、競合会社への顧客流出防止につなげている。専用ロッカーは2018年12月末時点で羽田空港、成田空港等の国内主要5空港、合計18機の設置が進んでおり、今後も設置場所が確保でき次第、他の空港でも導入していく予定となっている。

※2018年に入って競合1社が関西国際空港に1ヶ所設置した。


その他、法人向けのサービスとして、海外渡航時の申込・受取返却手続きが不要な常時貸切サービス「グローバルWiFi for Biz」を提供している。2017年7月より2千台限定でスタートし、顧客ニーズに応えるため2018年8月にサービス内容を大幅に拡充して本格的に営業展開を開始している。具体的には、国内でのWi-Fiサービスの利用を可能としたほか、付加サービスとして「緊急位置情報サービス」の提供(無料)を開始した。「緊急位置情報サービス」とは、海外渡航中の利用者の安否確認が取れない際に、直前までの位置情報と接続時間をWi-Fiルーターの利用状況から確認することで、迅速な消息情報を提供するサービスとなる。「グローバルWiFi for Biz」の料金体系は、月額基本料金1,970円に海外渡航時に使用した日数分の定額利用料金、及び国内サービス利用時の月額オプション料金(月額3GBまで無料、3GB超は従量課金)を加算した金額となる。

b) 国内事業
海外から日本への渡航者である訪日外国人及び国内旅行、出張者に対して、国内の各通信キャリアから仕入れた通信回線をセットしたモバイルWi-Fiルーターをレンタルしている。主力サービスは2015年3月にサービスを開始した訪日外国人向けWi-Fiルーターレンタルサービス「NINJA WiFi®」で、グローバルWiFiで培ったノウハウを生かし、日本ならではの細やかな体制でサービスを提供する。受取返却場所はグローバルWiFiを扱う空港のほか、滞在先ホテルへの宅配サービスや新宿オフィスでの受取りも可能となっている。日本語、英語、簡体字、繁体字、韓国語の5言語に対応している。

(2) 情報通信サービス事業
同社とメンバーズネット、ベストリンクを中心に、スタートアップ、ベンチャー企業、及びその他一般企業向けに、法人のステージニーズに合わせて各種通信サービスや電力サービスの加入取次ぎ、移動体通信機器やOA機器、LED照明機器の販売、ホームページ制作等のサービスを提供している。

ユーザーニーズを的確に捉え、最適な製品やサービスを最適のタイミングで提供するために、独自のWebマーケティングを活用した集客を行い、コールセンターによる案内※と、情報通信サービス事業を展開している全国7ヶ所の営業所及びパートナー企業との連携による訪問営業を組み合わせにより、効率的な事業運営を行っている。

※佐賀市にあるビジョン・フューチャー・ビジネスセンターの専属コールセンターCLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)が顧客との契約継続をフォローするCRM活動を行っている。


顧客開拓の主要ターゲットは、スタートアップやベンチャー企業等となり、年間約1.7万社の新設法人※をコンスタントに獲得している。年間の法人登記件数が11.8万件(2017年)であることから、新設法人の6~7社に1社が同社の顧客になっていることが分かる。同社ではCRMの活用により常に頼れるパートナーとしてこれらの企業との関係を維持し、顧客企業の成長に合わせて電話回線の追加やコピー機といったOA機器、電力サービスなどのアップセル/クロスセルに取り組むなど、継続型のストックビジネスモデルとして事業を展開している。

※同社と新規取引を開始した設立後6ヶ月以内の企業合計。


同事業の収益構造を見ると、売上高は商材によって業務受託手数料(取次手数料)や継続手数料、販売代金や保守サービス料等を計上している。売上原価は携帯電話やOA機器の販売であれば仕入代金を計上し、そのほか外注費(代理店への支払手数料等)が含まれる。また、販管費としては人件費、広告宣伝費、コールセンターの運営コスト等が含まれる。

(3) その他
ProDrivers事業とはハイヤーの時間貸しサービスのことで、空港までの送迎や観光利用から役員送迎等のビジネス用途に至るまで様々な移動シーンでの利用が可能で、グローバルWiFi事業や情報通信サービス事業の顧客基盤を活用できることから、2018年春より開始した新規事業となる。都内からサービスを開始しており、今後はパートナー展開も進めながら、全国主要都市に順次展開していく予定となっている。また、海外では資本業務提携先であるディーエルジービー(株)が運営するサービス「SmartRyde」(主要150ヶ国、500都市に対応)に利用希望の顧客を送客している。

ハイヤーは2時間単位での時間貸しとなり、車種はアルファード(最大搭乗人員6名)のほかグループでも利用可能なハイエース(同9名)などをそろえている。ドライバーは未経験者を採用して、資格取得からマナー講習まで研修を行った上で現場に配属する。売上高はレンタル利用料のほか、パートナー企業や海外提携企業への送客に関しては送客手数料を計上することになる。

また、広告メディア事業では訪日外国人に対して、日本滞在時に役立つ情報を現地の有力ポータルサイトなどを使って紹介するサービスを提供している。顧客はインバウンド需要を取り込みたい国内の外食企業や小売企業などになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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配信元: フィスコ

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