今週の米ドル/円予想 米主要経済指標と米中通商協議(4/1週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円(TFX)は反発。週初110.035で寄り付いた米ドル/円(TFX)は、週初は前週の流れを引き継いで弱含みで推移し、2月8日以来の安値109.690をつけましたが、25日の海外株式市場の上昇や米長期金利の上昇を受けて110円台後半まで値を戻しました。
その後は、米長期債の利回りの下落と上昇の影響で110円台前半から110円台後半で上下し、110.805で引けました。
今週の主要経済指標は図のとおりです。重要度の高い経済指標が目白押しです。
1日に発表される小売売上高は米国のGDPの6割超を占める個人消費の動向を占う上で重要で、小売売上高が強いと個人消費も強く米国の経済は強いと読み取れます。
毎月米国の第1営業日に発表され、製造業の購買担当者へのサーベイからなるISM製造業景気指数は景気の良し悪しの分かれ目を50としており、現在のトレンドと市場予想よりも強いか弱いかに注目です。更に毎月第3営業日にはISM非製造業景気指数が発表されます。また、今週末には米3月雇用統計の発表も控えています。
政治イベントとしては、ワシントンで行われる米中通商協議やイギリスのEU離脱の行方に注目です。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
移動平均線は、13週移動平均線が上向き、26週移動平均線が下向き、52週移動平均線が上向きとなっており、上から順に26週、52週、13週となっています。
米ドル/円はちょうど26週(111.283)と52週移動平均線(110.951)の間にあり、当面はこのレンジのどちらをブレイクできるかに注目しています。
111.30処を上回るようであれば再度112円へのトライを、110.95を下回るようであれば、13週移動平均線の位置する110.35や直近の安値109.70前後へのトライの可能性を見ています。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
先週は、セオリーどおり雲のねじれが相場転換のポイントとなり、その後の米ドル/円は底堅い展開で推移し、転換線や基準線を上回りました。ストキャスティクスも上昇傾向となっており底堅い印象はありますが、111.463に位置する200日移動平均線があり遅行スパンが日々線を下回っていることから、当面は上値も限られそうです。そのため、目先は基準線(110.920)や転換線(110.698)をサポート、200日MA(111.643)をレジスタンスとしたレンジ相場をイメージしています。
サポートを割れ込む場合は雲の上限、レジスタンスを上回る場合は112円処へのトライを想定し、当面のトレードを組み立てたいところで、どちらかと言えば上方リスクの方が高いと考えています。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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