テックファム Research Memo(5):2019年6月期業績はSI事業の成長により増収増益の公算大

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最新投稿日時:2019/03/26 15:15 - 「テックファム Research Memo(5):2019年6月期業績はSI事業の成長により増収増益の公算大」(フィスコ)

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テックファム Research Memo(5):2019年6月期業績はSI事業の成長により増収増益の公算大

配信元:フィスコ
投稿:2019/03/26 15:15
■今後の見通し

1. 2019年6月期の業績見通し
テックファームホールディングス<3625>の2019年6月期の連結業績は、売上高が前期比3.1%増の6,000百万円、営業利益が同18.6%減の450百万円、経常利益が同20.3%減の440百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.1%減の200百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期までの進捗率は売上高で50.3%、営業利益で46.0%となっており、同社の業績がSI事業、自動車アフターマーケット事業ともに下期偏重型であることを考えれば、当初の減益計画が一転して増益となり、過去最高業績を連続更新する可能性があると弊社では見ている。

事業セグメント別の季節性で見れば、SI事業は主要顧客の決算月となる第3四半期がピークとなり、自動車アフターマーケット事業では第4四半期に年間利益の大半を稼ぐ傾向にある。当期について見れば、SI事業の受注はIoT・AI関連を中心に引き続き好調で、下期も対上期比で売上高の拡大が見込まれており、収益性も高水準をキープする見通しとなっている。一方の自動車アフターマーケット事業についても、前述した部品商システムの再リリースにより第4四半期で一気に巻き返し、通期では前期並みの利益水準近くまでの回復を見込んでいる。

(1) SI事業
SI事業の期初売上計画は前期比微増収だったが、2ケタ増収ペースを維持する可能性が高い。期初段階では、NTTドコモ向けがAI系大型開発案件の一巡により減収になると見ていたが、最近では5G関連の引き合いも出始めるなど開発需要が依然旺盛なためだ。無線通信分野の技術開発力は同社の強みでもあり、今後5G関連のサービスが多く立ち上がってくるなかで、同社の受注獲得機会も増加するものと見られる。また、IoT・AI関連の受注も好調で、売上高は前期の約15億円から約20億円に拡大する見通しだ。

特にIoTソリューションでは自社プラットフォーム「MoL (Monitoring of Location)」を活用したソリューションサービスの拡大が見込まれる。空港における特殊車両の所在管理やメンテナンスを目的に導入されたほか、屋内向け検査機材の利用状況、所在状況の管理など、屋内外問わず環境に応じたセンサの活用により必要な精度把握が可能なソリューションの提供を進めている。また、「トイレIoT」などその他の活用事例も出てきている。プラットフォームビジネスで月額利用料等も獲得するビジネスモデルとなっているため、導入が広がれば収益の安定性向上にも寄与することになる。

また、新たなサービスとして外勤向けタスク管理システム「Q-Go!(キューゴー)」の販売も、2018年10月より開始し、既に1社に導入されている。音声に頼らない作業指示や進捗管理の可視化、位置情報を活用した勤怠管理などをスマートフォンアプリで行い、フィールド営業活動の効率化を実現するシステムとなる。主に管理本部からフィールドスタッフへの指示・管理を行う配送業者や各種メンテナンス業者などでの需要が見込まれ、今後の導入拡大が期待される。

ee-TaB*®事業に関しては、顧客サービスの向上につながる「客室オーダー機能」(ホテルレストランでのオーダー受付やデリバリー注文、タクシーの呼び出し機能など)に加えて、業務系機能(遺失物管理機能、清掃管理システム)などの機能拡充を進めてきたことで、導入ホテル数が順調に拡大している。今下期も「都シティ 東京高輪」で全室(199室)に導入されたほか、大手ホテルへの導入も決まったようだ。全国のホテルの客室数は約84万室で、旅館も含めると150万室を超える。今後、増加が見込まれる外国人向けの民泊施設なども含めれば潜在需要は大きく、導入室数は今後も右肩上がりに拡大していくことが予想される。

(2) 自動車アフターマーケット事業
自動車アフターマーケット事業の売上高は前期比3.3%増の1,600百万円、セグメント利益も増益を見込んでいたが、上期に部品商向けシステムの不具合が発生した影響もあり、会社計画には若干届かない可能性がある。引き続き主力の自動車整備システムでの顧客開拓を強化するほか、部品商向けシステムを第4四半期に再リリースすることで計画達成を目指している。

なお、自動車整備システムやガラス商・部品商向けシステムの対象顧客数について見ると、整備事業者数が6~7万社あるのに対して、ガラス商は500社、部品商は1,500社程度となっている。ガラス商や部品商の数は少ないものの、1社当たりの売上規模は整備支援システムの数倍以上となるため、10社開拓できれば売上高は数億円規模となり、EBEの事業規模を考えるとインパクトは大きい。現状、ガラス商、部品商向け業務支援システムは大手1社の寡占市場となっているが、同社は技術開発力を強みに利便性の高い機能などを開発、差別化を図ることで寡占市場を切り崩していく戦略だ。これら製品は6年リースのため、リース切れのタイミングを見計らってリプレース需要を取り込んでいく。また、自動車整備システムについて現在のパッケージ販売による売り切り型(リース販売)から、初期導入費用を抑えられるサブスクリプション型(月額課金収入)モデルへの移行を進めるための開発に着手しており、2020年7月のリリースを目標としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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