109円台をキープできるか?
■注目されていたFOMCは、当初の予想通りFF金利を据え置き、更に今年の利上げ回数を2回からゼロに引き下げました。
また、保有資産の縮小に関しても一旦、今年9月に停止することを表明しました。
そのことで米債券市場では利回りが一気に急降下し、ドル売りが優勢の展開になりました。
また、週末の株式市場においてはドイツの製造業PMIが大幅に下回ったことをきっかけに世界景気減速懸念が台頭し、株売りからのリスク回避の円買いとなり、大台である110円を割り込む格好となりました。
■ドル円が大台の110円が割れたことで予想外の展開と思っている方も少なくはないと思います。
先週もここで記事として書きましたが、大方の予想では「押し目買い」の見通しがあっただけに要警戒していましたが、ついに現実のものとなりました。
■さて、今週は中期トレンドやファンダメンタル、シナリオを大幅に変更する必要があるのではないかと考えています。
特に週末のドイツのPMIや米国のPMIが大幅に予想を下回ったことで、わが国の景気の下方修正を含め、世界の大国における第一四半期の経済成長は抑制された格好となります。
つまり、世界景気減速の台頭になったとみています。
■それ故に、今後は「リスク選好」ではなく「リスク回避」を軸に相場見通しを考えなくてはならないと思います。
既に週末の米国の債券市場では12年ぶりに長短利回りの逆転現象になりました。
このことで最低でも1年から2年はリセッションに突入したと可能性が高いと判断しています。
■このことを受けてFRBやECBのスタンスはよりハト派にならざるを得ないのが現状です。
勿論日銀においても同様のスタンスをとると思います。
しかし、日本においては先日から警戒されていますが、これからの日米通商交渉において「為替」をけん制してくる可能性があることと、これ以上の緩和スタンスを行うことでの国内の金融機関への副作用もそれなりでる可能性があるので容易に出来ないのが頭悩ますところです。
米国やユーロ圏においては緩和スタンスがとりやすいものの、日本においては別物だとみています。となれば必然的に日本円は買われやすい環境になるのではないかとみています。
■今週は、週末の米国の個人消費支出や住宅関連の指標に注目です。
更に英国のEU離脱に関してのヘッドライン、特に英議会においての合意離脱協定案が否決される可能性もあるのでその辺りにも警戒したいです。
■最後に、ドル円のテクニカルです。
日足チャートで週末にこれだけの陰線を引いてくると、単に買いきれないのが本音です。
ポイントは109円台をキープできるかどうかです。ここを抜けると中期的には107.50円までの見通しありえるので、安易に押し目買いだけは気をつけたいです。
日本の10連休や世界経済の情勢を踏まえると意外と早い段階で手仕舞いもありえるので再度、株価の動向は注視したいです。