テクニカル面でのデル円は?
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■先週は、米中通商交渉進展期待を背景に株高を横目にドル円も上昇する場面が目立ちました。
また、テクニカル的にも押し目買いと見られる買いに支えられる格好が散見されました。
しかし、その一方で米経済指標は景気減速の兆候が見え隠れすることで、FRBが目指す金融正常化修正も浮上してきたため、ドル買いが続かず111円ミドルで終了しています。
■今週は以下のイベントに注目をしています。
・19日・20日のFOMCにおいて利上げ打ち止めに変更があるのかどうか。
・トランプ大統領が非常事態宣言無効決議案に拒否権行使。
・北朝鮮が非核化交渉の中断示唆
■はじめに今週の一番のイベントになるのがFOMCです。前回の会合では次の一手が「利上げ・利下げ」どちらの可能性もあることを示唆していました。
しかし、ここ最近の米経済指標はインフレ兆候や景気動向ともに下り坂を示唆しています。
そんな中で「忍耐強く」という言葉に議長は変更を示すのか。少なくても市場予想では既に「利下げ」を意識しだしてきただけに警戒は必要とみています。
特に国内景気だけでなく中国や欧州経済の景気減速、交渉の行方も見えない中では成長リスクと判断せざるを得ないのが現実です。
その意味でも議長コメントは大注目になります。
■次に、先週末にトランプ大統領がついに非常事態宣言無効決議案に対して拒否権を発動させたことです。
米国会ではトランプ大統領に対してロシアゲート疑惑による弾劾訴追を仕掛けている中で、今回のこの拒否権です。
また、2020年度の会計年度予算案も決めきらない中では議会の混迷が深まるばかりです。この拒否権に対しては既に報道でも出ていますが26日に採決を行うようですが、議会の行方にも警戒したいです。
■最後は、先日の米朝会談決裂による北朝鮮からの米国へのけん制と思える非核化問題です。
完全非核化については全く譲歩しないと外務次官が報道しているだけに米国を揺さぶっているようにみえます。
またミサイル発射場では最近になって復旧の動きがにわかに見えてきています。中断していたミサイル発射が現実になれば米国と「一触即発」に発展する恐れもあるだけに地政学リスクが台頭するのではないかとみています。
■上記の後者二つにおいては、トランプ大統領がらみの材料になっています。
これも来年の大統領選を意識して何らかの成果を見せる上でも重要な案件だと思っています。
少なくてもこのまま時間だけが経過すれば、選挙において劣勢になることは確かです。故に確実に外交や内向ともに結果を残すのではないかとみています。
最近のドル円の予想を見るとほとんどのアナリストが「上目線」で見ています。それ故にそんなにわかり易い相場があるのかと疑いたくなってしまうほどです。上記材料以外にも不安材料が表面化していないだけに、押し目買い一辺倒にだけは気をつけたいです。
■ 最後にドル円のテクニカルです。
日足チャートを見れば200日移動平均線の攻防になっているのが良くわかります。
週末の112円トライが失敗していること。それから先週もここでの記事にも書きましたがRSIでダイバージェンスになっていることを含め、もう一段押すのではないかとみています。
特に先々週8日の安値110.78円を割り込むのではないかとみています。