今週の米ドル/円予想 小売売上高とCPIに注目(3/11週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円(TFX)は反落。週初111.880で寄り付いた米ドル/円(TFX)は、米ISM非製造業景気指数が市場予想より強かったことなどから週前半こそ底堅く推移し、再度112円台を回復する局面もありましたが、ECB理事会のLTRO復活や経済成長見通し、インフレ見通しが下方修正されたこと、さらに米株式市場が軟調に推移したこと、週末に発表された雇用統計が市場予想よりも弱かったことなどを受けて一時は110.70まで下落。111.115で引けました。
今週の主要経済指標は以下のとおりです。特に注目すべきは米1月小売売上高と米2月消費者物価指数などですが、EU離脱をめぐる英議会採決(協定案についての採決が否決された場合は⇒合意なき離脱についての可否を問う採決)などもあり、イギリス発のリスクオフにも注意が必要です。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円はストキャスティクスが上昇傾向のまま50%を上回る水準で上向きとなっておりますが、日々線が26週移動平均線(赤い線)を下回り弱い状態です。
中期的には、52週移動平均線(110.675)や13週移動平均線(110.180)が目先のサポートとして、また、26週移動平均線(111.575)が目先のレジスタンスとして意識され、概ね110円から111円後半での推移が予想されます。
ただし、中長期的ポジショントレードの観点では、これらのレンジブレイクをした方向についていくようなスタンスを取りたいところです。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
一時112円台まで上昇した米ドル円ですが、再度、200日移動平均線や転換線を下回り、ストキャスティクスも多く下降しております。また、一目の遅行スパンに目を向けると、こちらも200日移動平均線を下回り一目の雲に遮られるように下落しています。
日々線の目先のサポートは基準線の位置する110.785ですが、短期的には一目の雲の上限と200日移動平均線の間での推移を考えています。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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