今週は注目の材料が多い
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先週は、米中通商協議の進展を巡って期待感から株高を追い風にドル円も上昇しました。
トランプ大統領も米中首脳会談で通商合意に署名する可能性を示唆していることや今月1日に期限だった対中関税引き上げも延期したことで、リスク選好が強くなり一時、112円を突破する格好となりました。
今週は以下の材料に注目しています。
・米中通商協議の行方
・月一イベント米雇用統計の結果
・ECBの定例理事会
・米経済指標(ISM非製造業指数、貿易収支)
・インドとパキスタンの軍事衝突・・・地政学リスク
■まず、米中通商協議に関しては報道等でも言われているように、覚書のレベルにまで進展しているといわれております。
今月1日の関税引き上げ期限延長がなされたことは一歩進んだと判断できます。
しかし、現在でも非関税障壁の撤廃については進展しているようには見えません。
この協議の行方だけは最後まで予断を許さない展開だとみています。
特に先日の米朝首脳会談を見てもわかるように「非核化」に関してトランプ大統領があれだけ金委員長に歩み寄っても物別れしたのが良い例のようにも思えます。
■更に上述している米朝首脳会談決裂は、今後の地政学リスクが再度、台頭する可能性も
あり得ると心に留めておく必要もありそうす。
先週のインドとパキスタンの軍事衝突があり、両国とも核保有国といったところでは気がかりな材料になる可能性もあります。
南アジアに対する地政学リスクには警戒したいです。
また、先週発表の米GDP速報値でも予想を上回ったことで、株高がドル高の展開になっています。
しかし、最近では小売売上高を中心に個人消費の落ち込みが出始めたことで成長鈍化とも言われだしています。
先週のパウエル議長からも利上げサイクルに対して「忍耐強く」という言葉を出しています。その意味でも月一イベントである雇用統計にも注目です。
■現状では米中通商問題の進展を背景にリスク選好の相場展開ですが、世界経済を見渡せば成長減速が囁かれています。FRBだけでなく他国の中央銀行の金融政策のスタンスにも注目したいです。
■最後に、ドル円のテクニカルです。
日足上では200日移動平均線をしっかりと上回り、底堅いイメージが強いです。
現状では110円を下回ると予想するのは少々、強引過ぎるようにも思えます。
今週はもう一度112円台に上昇するとみていますが、週間足ベースでの200週移動平均線(1日引値:112.33円)が大きな抵抗になるのではないかとみています。
一旦、このレベルが抵抗になって調整が入るのではないかとみています。