チャートにも注目
■先週は、FOMC声明で金融正常化路線が休止する可能性を示唆したことで108円ミドルまで売り込む場面がありました。
しかし、週末の米雇用等統計が予想値の2倍増、そしてIMS製造業景況指数やミシガン大学消費者信頼感指数がそれぞれ予想値を上回り、109円ミドルまで押し上げ終了しました。
■さて、今週は米国の政府機関閉鎖が一時的に解除されたことから、トランプ大統領による一般教書演説が注目されます。
特にメキシコとの壁建設を巡っての「非常事態宣言」を発動するのかどうかに注目したいです。
これだけ長い間政府機関を閉鎖してでも壁建設にこだわるトランプ大統領の意地もあり、そう簡単に引き下がれない状況にもなっているのは事実です。
少なくても今回の閉鎖によっての支持率は急低下したことは確かで、その意味でも中途半端に終わらせるはずも無いとみています。
またこの一般教書演説以外に注目となるのが米経済指標です。
米政府機関閉鎖によって発表が後れていたことや先週のFOMC声明文によってハト派に傾きかけているのでいつも以上に意識されそうです。以下には注意していただきたいです。
・耐久財受注
・貿易収支
・ISM非製造業景況指数
・GDP速報値
・小売売上高
■また、パウエル議長も今週は講演が予定されています。先週のFOMC後のハト派と見られる発言に対して先週末発表の雇用統計を受けての印象に変化がみられるかに注目したいです。
ただ、先週末の雇用統計を見る限り確かに予想値の2倍の数値は出ているものの、あくまで政府機関が閉鎖する前のものであり、その後に関しては来月以降の結果に注目されます。
雇用増に関していえば100ヶ月連続になり過去最長といわれています。
その意味で言えば今の雇用状況は「陽の極(ようのきょく)」に見える気がします。
つまり、既にこれだけの良い材料が出し切っているので、今後は悪い材料に反応しやすいのではないかとみています。
相場の格言では「陽の極に売りの機あり」という言葉もあります。
あまり雇用統計だけの数値で判断しないほうが良いのではないかと感じています。
最後にドル円です。
■ドル円日足チャートでは、先週水曜と木曜の実線を被せる格好となった先週末のロウソク足です。
もう一度、110円にトライしたい形に見えますが、仮にこの水準を突破しても断続的な売りも入る可能性があり、また110円レベルの売りに押されると、やや大きな売りに繋がる可能性があるとみています。
逆に、木曜日の安値108.49円水準では押し目買いも優勢になりそうです。