上がるも下がるもFOMC次第か
どちらかにブレイクするのではといった期待感は高まってきました。まず、本日1月30日(水)より開催される米中貿易協議は、中国側が劉副首相を統括担当として、米国側はムニューシン財務長官とライトハイザーUSTR代表が出席して閣僚級協議を行います。
そして、1月31日(木)日本時間午前4時にはFOMCが予定されており、先週の金曜日にWSJ紙が「FRBは過去の量的緩和で買い入れた米国債などの保有資産の縮小の終了の議論を開始」との報道があったため、一気に緊張感が漂っています。また、FOMC終了後にはパウエル議長の記者会見も予定されており、発言次第で乱高下が予測されます。さらに、米経済指標も2月1日(金)に米雇用統計やISM製造業景況指数などの重要指標も控えており、忙しい週末となりそうです。
米中通商協議では、3月1日の米中貿易戦争休戦に向けて進展が見られるかが焦点となり、週末にかけてニュースヘッドラインに振らされる展開が続きます。しかし、知的財産権問題の早期解決は困難で、基本的には米中がこれからの覇権を握るための長期的な戦いであり、局地的な発言による乱高下はノイズになる可能性が高いと考えます。
そして、もう一つのビックイベントであるFOMCも今回は「資産縮小ペースの減速」や「年内利上げ回数」の変更など不透明感が漂っていて、内容次第で大荒れになりそうです。資産縮小ペースの減速、あるいは中止の方向となればドル安になる一方で、政策変更なし、あるいはだいぶ先になるようであればドル高に振れます。予想は困難で、乱高下が予想されることから、ヤマを張るのは危険で、FOMC前はポジションを縮小してボラティリティから身を守るのが安全です。ただ、会見の内容から資産縮小ペースの減速や停止に対してFRBの方向性が明確に見えるようであれば、多少売り込まれていても素直にドル安でついて行けるマーケットを予想しています。
そのほか、週末の米雇用統計もFRBの政策変更に直結するため、反応しやすい地合いになりそうです。市場のコンセンサスは雇用者数変化16.5万人(前月31.2万人)平均時給0.3%(前月0.4%)と悪化が予想されています。
テクニカル面ではドル円の日足チャートを見ると110.00円を3度トライするも失敗しており、長めの上ヒゲも散見しているので同水準は強固なレジスタンス。ここをブレイクされれば200日移動平均線の差し掛かる111.20円が視野に入ります。一方、サポートは21日移動平均線の差し掛かる109.00円付近で、下方へブレイクするとフラッシュクラッシュ後の安値である107.50円まで意識されます。