~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で大きく浮上~
【ポイント】
・国内の首都圏バスICカード運賃システムの更新需要が、今2019年3月期下期から本格化している。ここから1年半はフル操業で、大幅な増益効果が見込めよう。一方、海外では米国、欧州、シンガポール向けに開発案件を推進している。その準備で設備投資や研究開発費が増加している。先行投資負担はあるものの、業績は大きく好転、来期は12年ぶりにピーク利益を更新しよう。
・当社はバスのAFC(いわゆる運賃箱)で、国内シェア6割を有する。首都圏でのバス用ICカードシステムが更新期に入った。その中で、当社のシェアは上がっている。初受注は戦略的に対応するので、初期の負担が発生するが、中期的には収益面で十分取り戻すことができよう。
・今後、バスの高機能化が進む。第2の柱であるTMS(運行管理システム)でも、多言語表示、カラーLED表示に加え、バスドライバーが次のバス停情報の設定を手動で操作しなくてよい自動歩進装置(GPS活用)なども本格的に普及してこよう。その核となるTMS車載器「LIVU」(ライブ:LECIP Intelligent Vehicle Unit)を開発し、既にバス会社での採用も始まっている。路線バスでの標準装備に向けて注目度は高い。
・2021年3月期までの中期5ヵ年計画では、売上高200億円、営業利益10億円以上を安定的に計上することを目標にする。国内の業績は更新需要で大きく盛り上がってくるが、3年後に向けて、TMSの新製品や海外ビジネスを伸ばそうと注力している。
・海外ビジネスは、海外売上比率20%を目標に黒字化を目指す。今は先行投資負担が重いが、海外の採算が改善してくれば、全社的に10~15億円の営業利益を安定的に達成することができるようになろう。米国、欧州、アジアで市場開拓は今一歩努力を要する。
・事業の特性上、売上・利益は4Qに大きく上がってくる傾向が強かったが、バスシステムの更新需要の効果で、四半期ごとに黒字が見込める展開となろう。今期は、会社計画の経常利益10億円は達成でき、来期は経常利益で16億円が見込めよう。ROEも20%を超えてくるので、株式市場での評価は大きく高まってこよう。
目 次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割を有するトップメーカー
3.中期経営計画 オリンピックに向けて国内の更新需要が本格化
4.当面の業績 来期はピーク利益を更新しよう
5.企業評価 内外での新規受注案件の仕上がりに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2018年12月11日) |
694円 |
時価総額 | 89億円 (12.79百万株) |
PBR | 3.04倍 |
ROE | 17.7% |
PER | 16.8倍 |
配当利回り | 1.2% |
総資産 | 13203百万円 |
純資産 | 2592百万円 |
自己資本比率 | 19.6% |
BPS | 228.3円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2008.3 | 18511 | 1232 | 1208 | 686 | 53.7 | 8.5 |
2009.3 | 16933 | 1070 | 1104 | 521 | 43.3 | 8.5 |
2010.3 | 13585 | 29 | 64 | 41 | 3.3 | 7.5 |
2011.3 | 12551 | 121 | 154 | 46 | 3.7 | 6.25 |
2012.3 | 13059 | 493 | 514 | 132 | 10.4 | 7.5 |
2013.3 | 13480 | 477 | 526 | 292 | 23.4 | 7.5 |
2014.3 | 14157 | 151 | 164 | -98 | -9.1 | 8.5 |
2015.3 | 20215 | 603 | 779 | 227 | 20.8 | 8.5 |
2016.3 | 16203 | -571 | -649 | -1378 | -125.3 | 7.5 |
2017.3 | 16985 | 483 | 354 | 50 | 4.6 | 7.5 |
2018.3 | 15749 | -235 | -248 | -454 | -40.9 | 7.5 |
2019.3(予) | 20000 | 1000 | 1000 | 460 | 41.4 | 8.5 |
2020.3(予) | 23000 | 1600 | 1600 | 850 | 74.9 | 8.5 |
(2018.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2005年11月1:10、2014年4月1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/reshiltupuHD201812.pdf
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