中期トレンドも売り転換
トレードタイムです。
■先週は、対中追加関税引き上げ中止報道で見通しが明るい見通しで合ったものの、カナダ当局が中国スマホメーカーファウェイ社のCFOを逮捕した報道によって、再び米中貿易戦争に警戒感が台頭しました。
更に米債券市場でも2年債と5年債の利回りが逆転するといった「逆イールド現象」が誘発しました。そのことでNY株式市場の大幅下落が目立ち始め、リスク回避からドル円の上値を重くさせ、112円後半で終了しています。
■そして先週末の米雇用統計の結果、市場予想を下回ったことで追加利上げのサイクル見直し論も浮上し始め、市場自体が意気消沈といったところになっています。
今月の追加利上げも1月に後ろ倒しの可能性も否めなく、更にいえば来年の追加利上げの大幅見直しが急務な状況となっています。結果的には15万人と数値的には悲観するものではないものの、やはり利上げサイクルを早める必要性という意味では慎重にならざるを得ないのではないかとみています。
■先日のクラリダFRB副議長やパウエルFRB議長のハト派発言を助長する数値となれば、来年の利上げサイクルは確実に修正してくるとみています。その意味でも12日の消費者物価指数(CPI)や週末の11月小売売上高に注目したいです。
■そして気がかりなのがやはり、株式市場の動きです。
週末のNYダウの戻りが鈍くなるどころか、投売りと思える下げ幅になってきています。
週間ベースでは、今年3月以来の大幅な下げに転じています。
特に米中での90日間の交渉期間という経過措置をだしているものの、その結果においては難航する恐れもあり、更にこのタイミングで中国ファーウェイ社副社長逮捕といった材料が飛び込んだことで再び交渉が難航する可能性が濃厚になっています。
■また、株式市場と同様に不安定なのがWTI原油です。
現在はかろうじて50ドルはキープしているものの、2ヶ月前までは80ドルに接近するほど上昇トレンドが色濃く出ていたにも関わらず、一転急落し始め今後の景気を予想する動きのような相場状況になっています。
■いずれにしても売り材料が出揃い始めたので、単純な押し目買いには注意したいです。
日足チャートを見れば、3月後半の104円台後半が底値になり綺麗な上昇トレンドを形成してきました。
しかし、ここにきて移動平均120日線(7日引値:112.09円)がサポートラインになってきたものの、この水準を割ることでダウントレンドに代わる可能性もあるので警戒したいです。
また上昇トレンドに対する時間的なものも8ヶ月間経過しているので、そろそろ大きな調整になってもおかしくはないとみています。