今週末発表の米国の貿易収支に注目
トレードタイムです。
今週も宜しくお願い致します。
■先週は、世界的な株安をはじめサウジアラビアを発端とした地政学リスクが重なり、リスク回避の円買い圧力が強まったことで一時、111.38円まで下落しました。
しかし、週末の米7-9月期GDP速報値が予想を上回ったことで、111.89円まで値を戻し終了しました。
■今週は、以下のポイントを注目したいです。
・乱高下が継続する株式市場の動向
・不安定が目立ち始めた米経済指標
・米国の9月の貿易収支
■まず、NY株式市場が震源地となった今回の大幅な株安の動向が気になるところです。
今年の春先の予想では、トランプ減税効果がNYダウでいえば3万ドルを超えるともいわれていました。
しかし、今月の3日に26,966ドルをつけてからは2,000ドル以上の下落をみせています。先週も一時400ドル以上の反発をみせたものの、週末は再びマイナスでの終了になっています。
チャート的にも中長期の流れを示唆する移動平均200日線を引値ベースで下回ったことで、調整色が色濃く出始めています。その意味では、下落トレンドが始まり現在の下落はまだ序章にしか過ぎないとみています。
■今後は、今年最大のイベント米中間選挙がいよいよ来週に迫りました。相場は既に選挙の結果を先取りし始めたかのごとく、
つまり共和党が過半数をとれないネジレ国会を予想した動きになっています。
更に現在の貿易問題をはじめとした影響も今後出始めるので、その意味では今回の下落は軽視しないほうがいいと思います。
まだ気が早いですが、月間足ベースのNYダウはダブルトップになりつつあり、ネックラインは23,000ドルにあり、これを割り込むことがあれば、天井を形成する可能性があります。その意味でもNYダウの動きにも注目したいです。
■次に、米国の経済指標の下振れが目立ち始めました。
先週も10月のPMI(総合購買担当者景気指数)や新築住宅販売件数、週末のミシガン大学消費者態度指数といったところが軒並み予想値を下回りました。
少なくても米長期金利が3%を超えてきているので消費者に影響が出だしたのは間違いないと思います。
今週も月一イベントの雇用統計や週始めの米PCE(個人消費支出)の結果に注目したいです。もし、予想を下回るようであれば、追加利上げのペースも見直す展開となるので、ドル円には大きく影響が出そうです。
■最後に、今週末発表の米国の貿易収支に注目したいです。
ここでも記事で何度もとり上げましたが、日米貿易不均衡是正の中に為替のカードが入りだしてきています。
実際にムニューシン財務長官も日米物品貿易協定には為替のことを示唆しているし、日銀のとっている異次元緩和政策の長期化も為替誘導にとりだしてきているし、日本に対しても何らかの行動はでると思うので警戒はしたい材料です。
■そんな不安要素が満載のドル円ですが、現状は株価の下落に対しては調整幅が小さいですが、既にチャート上では3月後半からの上昇トレンド、そして大きなサポートラインも週末の引値で割り込んでブレイクダウンしています。
目先は、週末安値111.38円が抵抗になり、これを割り込めば大台の110円にトライするのではないかとみています。その下は200日移動平均線もサポートラインとしてあるのでこのあたりも気をつけてみておきたいです。