メインサポートラインには注意
トレードタイムの平野です。
■先週は、世界的株安連鎖からリスク回避が鮮明になった1週間でした。
特に米財務省が議会に提出する為替政策報告書で貿易戦争を展開中の中国が名指しで為替操作国に認定する警戒感が相場へのインパクトはそれなりにあったと思います。
しかし、結果的には前回同様の監視対象国止まりで、最悪のシナリオからは免れた格好となりました。
ドル円も一時111.63円まで下落したものの、その後は112円ミドルで終了しています。
■今週は乱高下が継続している株価の動向次第でドル円も上下すると予想しています。
その意味では、ドル円の上値は抑制されるとイメージしています。
いよいよ注目されている中間選挙まで残りわずかとなりました。
様々な予想をメディアは報じていますが、一番厄介なのは共和党の議席を減らすことで、
ネジレ国会になることです。
特に下院の過半数をとった場合、税金問題やロシア疑惑を始め、利益相反疑惑などさまざまな問題を議論の中心にさせて、トランプノミクスの進行を妨げるのは確実です。
となれば、先取りした株価市場の大幅調整は免れないとみています。
少なくても最近の調整はそのシグナルのようにも感じます。
■今年の最後は政治や経済、地政学リスクといった様々なマイナス要素が具体的且つ集中する
可能性が濃厚になってきたのではないかと感じています。
ここにきて米国とサウジアラビアの関係悪化が報じられ、今週開催予定の経済投資フォーラムに参加予定だった米財務省もキャンセルしています。
この意味は時間とともにわかりますが、少なくてもこの関係悪化は、株価は勿論のこと
多方面に影響を与える可能性がありそうです。
その意味でもリスク回避を改めて認識する必要がありそうです。
日米ともに代表株価指数もこのレベルで推移すれば重要なサポートラインの下に位置するため、調整も時間の問題になるのではないかとみています。
その意味では、ドル円も上値が重くなりそうです。
■ユーロ圏でも爆弾材料になっているイタリア問題にも相場全体的に引きずられる可能性がありそうです。
欧州委員会は、イタリア政府の2019年の予算案を財政規律違反として拒絶する可能性がでてきました。
もし拒絶となった場合、協議は難航し長期化、さらには国債の格下げといったシナリオになるので、この動向にも注視したいです。
■年末にかけては・・・、
政治経済、地政学リスクともに神経質な展開を想定する必要がありそうです。
特に株式相場の動きを横目にしながらトレードをすることも考える必要があります。
確かに日米金利差を見た場合、明らかに米ドル買い円売りが常識です。
追加利上げが濃厚なFRBと緩和策解除に否定的な日銀のスタンスを見れば誰もが
押し目買いといいたいところです。
しかし、そんなに簡単ではないのが相場です。
■IMM日本円先物の売り越しも10万枚を超えており、更にいえば恐怖指数(VIX指数)も
再上昇し始めています。
つまり,それなりにアラートが上がり始めています。
■最後にドル円のテクニカルです。
日足上では、3月後半の104円台からの上昇トレンドになっています。
メインであるサポートラインには注意したいです。
もし割れるようなことがあれば、大幅に調整が入るとみています。
少なくても調整らしい調整がこの7ヶ月間無かったこともあります。
上値は113.00~113.50円がいっぱいとみているので、
113円からはカウンター狙いの売りで攻めたいです。下値は決めつけず、むしろ、先週の安値111.63円で逆指値の売りを仕掛けたいです。