押し目を探る展開が続く
トレードタイムです。
■先週のドル円はイベント続きで神経質な展開を予測していたものの、日米通商協議でも自動車関税に関しては一旦、見送りになったことへの安心感や予定通りFRBは追加利上げを行い、その後も継続的に利上げを行う見通しもドル買いの手がかりになりました。
また、節目として意識されていた113円もクリアしたことで、昨年11月につけた高値114円ミドルも意識され始めています。
今週は以下のことに注意したいです。
・NAFTAの再交渉の行方
・米中貿易摩擦
・米雇用統計
■まず、FAFTA再交渉です。
既にメキシコとは大筋合意しているもののカナダとの協議は決着がつかずの展開になっています。
これによってトランプ大統領はNAFTAから離脱することも視野にいれて、輸入車に対して高関税をかける可能性が濃厚になってきています。
となることで新興国経済へのダメージは大きくそのことで通貨市場も大きく影響を受ける可能性は否定できなくなっています。
■次に現在進行中の米中貿易摩擦です。
先月24日に第三弾の制裁関税を発動し、それに対して中国も一歩も譲らない報復関税を講じています。この流れは泥沼化していることで、後の大きな問題に発展する恐れもあるので注意したいです。
この関税合戦だけでなく、米国は既に報道でも少々出ていましたが、南シナ海や東シナ海の上空を米軍の戦略爆撃機B52を飛行させるという挑発行為にでています。
このことは地政学リスクにも発展する恐れもあり安易にこの米中問題は軽視するべきではないとみています。
■そして今週は月一イベント米雇用統計です。
最近では完全雇用に近い状態なので、少々数値が良くても過剰反応しない状況です。
唯一注目したいのがやはり、平均時給です。
これだけの株高なのに平均時給が伸び悩んでいることは後のインフレ抑制の要因にもなり、更には追加利上げを否定する材料にもなります。
先週末の個人消費支出も予想以下にとどまり、更に言えば、最近の原油高も今後の消費圧迫材料に繋がる可能性もあるので、警戒したい材料です。
■最後にドル円のテクニカルです。
先週、直近高値113.17円を突破したことで、次の節目114円やここ2年間の抵抗となっている114円ミドルを意識することになりそうです。
しっかりと押し目があれば拾いたいチャートになっています。
また、IMM日本円も今週は大きくポジションを傾けたようで前々週と比較して2万枚以上もロングポジションを作っています。
売り越し幅も8万枚を超え、10万枚の大台も時間の問題になってきています。このIMMのポジション動向もそろそろ気にしたい局面になってきました。
■上記のことを踏まえると、押し目を拾う場合には、短い時間軸を利用して回転の効かせた売買をイメージし、更に節目どころは、やはりカウンター狙いの売りポジションをここからは積極的に仕掛けたいところです。