気がかりなのが「米国10年国債」
理由の1つはこの関税問題に対抗するかのごとく、中国政府は人民元安誘導を政策として実行しているからです。
中国政府も関税合戦が激化すれば少なくても経済の失速は目に見えています。
それ故に一番コントロールしやすい人民元を誘導するといったカードを使ってきています。今後、この人民元がどこまで切り下げるのかに注目したいです。
■もっとも、米財務省は先日から、為替監視対象国にしていただけに、この人民元の動向は米国も見逃すわけがないとみています。
その流れでいえば、日本も同じ監視対象国にいるだけに、油断できない状況です。
最近のドルインデックスの動きを見る限りドル高トレンドは継続する可能性が高く、それに拍車をかける人民元の動向がさらに火をつけているように見えます。
トランプ大統領もこのドル高は見逃すわけも無く、最終的に「ドル安誘導」を標榜しているので、このあたりも警戒したいです。
■次に気がかりなのが、米国10年国債がここにきて3%を大きく上回るどころか足踏み、むしろ下押し圧力さえ感じる展開だということです。
少なくても直近のFOMCでは年内の追加利上げがあと2回の方向が示されたので、それに併せるように利回りも上昇していいはずです。やはりこの米国10年国債の動きは「政治リスク」を意識した動きになっているのではないかとみています。
また今週末は月一イベント雇用統計も控えています。最近の雇用統計は順調すぎるだけに警戒することはほぼないとみています。そんな順中満帆な中でも、ネガティブサプライズだけは頭の片隅に残したいです。
■最後にドル円のテクニカルです。
ここ最近の110円割れは押し目買いとみての動きが顕著です。
また、高値においても111円を超えるほどのパンチ力にも欠ける展開で、レンジが狭くなってきています。
今のファンダメンタルを考慮した動きとみています。111円を超えるようであれば売りにポジションを傾けることも想定しています。
また、逆に110円割れる展開であれば押し目買いと捉えたいです。レンジが狭いので、時間軸を変えて回転を利かせた売買も有効だと考えています。