■6月4日(月)■セルインメイで投資家は入れ替わった

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最新投稿日時:2018/06/04 14:37 - 「■6月4日(月)■セルインメイで投資家は入れ替わった」(堀篤)

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■6月4日(月)■セルインメイで投資家は入れ替わった

著者:堀篤
投稿:2018/06/04 14:37

上昇波動に変わっていく予感は十分

日経平均は反発へ?

先々週のコラムで想定した通り、日経平均株価は23000円から調整に入り、米ドルは108円台まで下落した。
つまり、ここ2週間の動きは、多くの投資家が想定していた通りの動きであったと言える。検討すべきは、5月30日の安値21931円が、目先の底値と考えてよいかどうか、だ。
もしそこが底値であったとすれば、株価は24000を目指す動きに入る可能性があり、そうでなければ、日経平均は21000円をつけにいくだろう。
私は後者の可能性は20%程度、メインシナリオは前者だと考える。

「セルインメイ」(5月に売れ)と言われるアノマリーは、今年は生きていた、と言える。この言葉は、6月のヘッジファンドの解約に備えた売却が5月にくることから言われるアノマリーで、決して根拠がない迷信ではない。
現状、貿易摩擦、米国中間選挙に向けたトランプ政権の予見不能な動き、地政学リスクなどを考えると、ファンドへの解約を止めることは難しかっただろう。
しかし、「セルインメイ」でリスクを取りたくない投資家たちの多くは退出し、残った投資家は12月まではポジションを持つ、つまり、市場参加者の多くは、米国中間選挙をホールドしていく「勇者たち」に絞られたと考えることもできる。
この5月を通過した市場は、上昇波動に変わっていく予感は十分にある。
特に、超目先では、28日の22,547円を超えることが重要になってくるだろう。ここをすぐに抜けるようなら、反発は早い。

■当面のリスクは、銀行と自動車に

しかし、市場には新たなリスクが顕在化した。
欧州の不確実性だ。イタリア政権の混乱により、またしてもEUの結束が試される事態が生じている。イタリアにおける「五つ星運動」と「同盟」の連立政権は、反ユーロと言える政権であり、先週、イタリアではこの連立政権が樹立された。先々週には、この政権樹立を阻止するため、大統領が拒否権を行使したが、このことでかえって総選挙=更なるポピュリズムの台頭という不安感が増大し、結局先週、この連立「素人」政権が、イタリアに誕生した。
こういった混乱を背景に、格付け会社は、イタリア国債の格下げを目論んでおり、それを見越し、他市場では、イタリア国債は急落している。
欧州に関しては、先週触れたように、ドイツ銀行のリストラもまだ始まったばかりだが、その再建が果たしてこれから来るだろう欧州の混乱に間に合うのか、それも不安だ。
しかし、実際は「五つ星運動」「同盟」共に、指導者は「ユーロからの離脱は今考えていない」と述べている。市場が過敏に反応し、さらに格付け会社がこれに便乗するような事がなければ、事態は収束するだろう。特に、格付け会社の動向が重要になる。

もう一つ、注目すべき動向は、トランプ政権の貿易関連政策だ。
今回のG7では各国がこぞって米国を非難し、米国が孤立したようだが、トランプ政権の次の標的は「トヨタ」だ、と言われている。
5月24日に米国が自動車への新関税の検討を発表したことで一旦売られた自動車株は、短期間で買い戻された。その理由は、実際のところ、自動車メーカーのほとんどが、現地生産をしているからだ。
しかし、ここへきて海外では、米国の狙いは「RAV4」にある、と言われ始めている。スポーツタイプの多目的車「RAV4」は米国で最も人気が高いトヨタ車の一つだが、この車の半分以上は日本国内の生産、残りはカナダで作られている。
トヨタが現地生産車の拡大で対応をできるのかどうか、その対応が注目されている。

いずれにしても、金融と自動車は、今のところ、積極的に買うことが難しそうだ。



ミリオンストック投資顧問特別アドバイザー 堀
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想

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