強い雇用統計でドル円は上昇に転じたか? 今週の為替展望(6/4週)

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最新投稿日時:2018/06/04 10:06 - 「強い雇用統計でドル円は上昇に転じたか? 今週の為替展望(6/4週)」(山口哲也)

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強い雇用統計でドル円は上昇に転じたか? 今週の為替展望(6/4週)

著者:山口哲也
投稿:2018/06/04 10:06

【先週のドル/円の値動きと今週の経済指標】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円(TFX)は小幅反発。週初109.755で寄付いたドル円は、イタリヤとスペインの政局不安を背景にリスクオフで円が買われ、108円台前半まで下落。その後は108円台の後半で推移していましたが、6月1日に発表された雇用統計が市場予想に比べて強かったことなどから、109円台半ばまで値を戻し、109.595で引けました。

先週注目されていた雇用統計は、失業率が3.8%(市場予想:3.9%)、非農業部門雇用者数が前月比22.3万人増(市場予想:前月比19.0万人増)、平均時給が前月比+0.3%(市場予想:前月比+0.2%)でした。ISM製造業景気指数は58.7(市場予想:58.2)と景気判断の分かれ目である50を上回り、且つ、市場予想よりも強い結果でした。

なお、今週の主な経済指標は図のとおりです。
特に5日に発表される米5月ISM非製造業景気指数に注目しており、この結果が市場予想を大幅に上回るようであれば、市場では確実視されている6月のFOMCでの利上げだけでなく、それ以降の利上げペースの加速期待が高まり、ドルは買われやすくなります。
また、先月、臨時の決定会合で16.5%まで引き上げられたトルコ中銀の政策金利が、7日に発表されます。トルコリラ/円は先月末に22円台まで下落し、政策金利の引き上げにより一時24円台まで値を戻しましたが、米国の強い経済指標により米国への利上げ期待がたかまったことで、再び弱含みでの展開となっています。新興国通貨の中でも特にトルコリラについては、注意が必要です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートは、先週26週移動平均線を下回り、13週移動平均線付近まで下落いたしましたが、強い雇用統計の結果を受けて、最終的には、再度26週移動平均線を上回って、先週を終えました。
世界的に政治リスクには注意が必要ですが、価格が13週移動平均線、26週移動平均線の上側にあることから、押し目買いを考えたいところですが、ストキャスティクスが高い水準から下向きになっており、110.30にある52週移動平均線がレジスタンスとして意識されやすく、スピード調整の展開が続きそうです。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
一方、米ドル/円の日足チャートは、一目の雲が右上に向かっていることやストキャスティクスも低い水準から上昇傾向にあることから中短期的には上昇傾向と見て取れます。
ただし、目先は基準線や転換線、200日移動平均線などがレジスタンスとして意識され、特に200日移動平均線を上回る展開には、なりにくいと考えます。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想

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