米中韓会談の行方~平和路線と武力的問題解決の可能性~

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最新投稿日時:2018/05/07 01:39 - 「米中韓会談の行方~平和路線と武力的問題解決の可能性~」(木村佳子)

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米中韓会談の行方~平和路線と武力的問題解決の可能性~

著者:木村佳子
投稿:2018/05/07 01:39

どうなる? 北朝鮮とアメリカの話し合い

日本の防衛準備と北朝鮮の港
金正恩氏と文在寅氏が北緯38°線を手に手を取って行き来した光景は非常に感動的でした。
が、ここでその点にポイントを置きすぎると事の本質を見誤ります。

そもそもは中国が潜水艦を建造しても、黄海が浅すぎて使い物にならないため、南沙諸島などに拠点を求めたり、北朝鮮の羅津港を借り受けようとしたりということから始まっています。
黄海以外から潜水艦が潜れる拠点造りにいそしむ中国の姿に危機感を持ったのがアメリカです。

その対応をしなければならないにもかかわらず
●ブッシュ大統領時代は米国ファイナンスにおいて、もっぱら日本や中国の経済力に依拠し、イラク戦争に重点が置かれたこと
●その後のリーマンショックでも中国の経済力が世界経済のクッション役となり、世界大恐慌には至らなかったこと
●次の大統領オバマ氏には就任早々、ノーベル平和賞が与えられ、身動き取れなくなったオバマ大統領は「話し合い路線」によって中国に過剰な進出の時間を与えてしまい、特殊警察しか動かせなかったこと

その間に中国は2025年中国世界一を目指して、国内外に着々と布石を打ち続けてきました。尖閣問題、南沙諸島問題もこの一環です。

それに「待った」をかけているのがトランプ大統領です。
ちなみに北朝鮮は中国2025年目標を達成するための一つの可動域としての役割を担っていたわけです。

今回の話し合いで北朝鮮非核化だけでなく朝鮮半島非核化、朝鮮半島の戦後処理終結、北南朝鮮統一、アメリカ・トランプ大統領はノーベル平和賞を受賞ということになってしまうと、「そもそも論」からずれていきます。

トランプ氏はショーマン的な発想があるといわれ、南北との融和路線で米国拉致被害者3名一括返還で手柄を示し、ノーベル平和賞の有力候補者になってしまえば、ノーベル賞の発表時期と近い中間選挙は極めて有利に運ぶと感じていると伝えられています。
でもこのコースを歩めばトランプ氏は「用済」になってしまいかねません。
2025年、中国が世界のNO1国家となり、アメリカは覇権国家ではなくなってしまえばトランプ大統領の誕生意義がなくなってしまいます。

もちろんアメリカの戦略研究機関は中国が仕掛けているトランプ氏への南風作戦による事の変質化のリスクを十分、意識して対策はぬかりないと思います。
トランプ氏もノーベル賞に魅力は感じるものの、今年、もらってしまえば逆に自らの存在意義を失い、外敵だけでなく内敵にも用済化され、2020年再選はないかもしれないことはわかっていると思います。
今そこにある米中の問題解決にはならないなら、トランプ大統領でなくてもいいわけですから。

このリスクシナリオ打破には、早めに手を打つ道が有効かもしれません。
もはや話はここまで、といきなりガツンと食らわせる手です。

北査察団が国内の全施設をしらみつぶしに「非核」かどうか調べることを受け入れるか、
そうでないならタイムリミットとして交渉決裂というコースもあり得ると想定しておくべきでしょう。

原点は「北朝鮮・非核」ではなく「中国の黄海以外の進出」を阻止することだったのですから。

アメリカがこの海洋憂慮を取り除くためには

①短時間で済む方法として北朝鮮の羅津港など主要3港の中国借款阻止 および南沙諸島進出の阻止
②長時間かかる方法として中国の理財商品等の金融面での困窮環境創出、内部統制に関する提起

などが考えられます。

米国の海洋問題憂慮に対しては台湾の潜水艦建造に米国協力が伝えられていますが、フィリピン、ベトナム、オーストラリアなどとの連携も強化しなければならないでしょう。果たして諸外国がおとなしく従ってくれるかどうかは別として。

すっかり融和路線、平和的解決というムードが先行していますが、
事の本質をずらしながらの時間稼ぎで誰が一番潤うのかを考えると、
あまり楽観視していられないなと思います。

さて、こうした状況を踏まえて生活者の資産運用における心構えは楽観シナリオ、リスクシナリオ、現状維持シナリオなどを想定し、大損しないで有利な買い場でしっかりいい銘柄を仕込むことに尽きます。

ムードに踊らされず、いろいろな想定をして準備しておきたいですね。
配信元: 達人の予想

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